都心6区のマンションでは1億円超が好調
ところで、ひとくちにマンションといっても、価格の動向などはエリアによって大きく異なってきます。そこで、この三菱UFJ信託銀行の調査では、エリア別に、売れ行きが好調な価格帯を聞いています。その結果が図表2です。マンションは、都心6区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区・文京区)では、9000万円台から1億6000万円程度が売れ筋で、平均は1億2516万円でした。都心では1億円超えが当たり前として定着しているわけです。都心6区以外の23区の売れ筋価格帯は6000円から1億円で、平均すると8167万円でした。それが23区周辺になると売れ筋の平均は6355万円、郊外では5109万円となっています。都心と郊外では売れ筋価格帯には2.5倍近くの差が発生しています。どこに買うかで必要な予算が大きく異なってくるわけです。

(画像=資料:三菱UFJ信託銀行「2023年度上期デベロッパー調査(首都圏マンション・戸建)」、『Business Journal』より引用)
世田谷区などの売れ筋戸建住宅の平均は1億円台
同様に戸建住宅について売れ筋好調な価格帯をみると、図表3の通りです。一見して分かるように、マンションに比べると価格帯レベルは若干低くなります。人気が高く、物件数も比較的多い世田谷区などの城南方面では、9000万円から1億2000万円強の範囲が売れ筋で、その平均は1億719万円でした。練馬区などの城西方面では、売れ筋の平均が7500万円で、都区部周辺は6694万円、郊外が4736万円となっています。マンションに比べるとエリアによる価格差はやや小さくなっています。世田谷区などの城南方面と郊外エリアを比べると倍率は2.3倍ほどで、マンションが2.5倍近い差であるのに対して、差が小さくなります。ただ、物件数が少ないためにここでは都心の戸建住宅については対象になっていませんから、それを含めると、ひょっとするとマンション以上の差になるかもしれません。

(画像=資料:三菱UFJ信託銀行「2023年度上期デベロッパー調査(首都圏マンション・戸建)」、『Business Journal』より引用)