【車中泊車としての軽トラの魅力】圧倒的に広い部屋を確保できる軽トラシェル
荷台にシェルを積んでしまえば、雨風の心配をする必要がなくなり、荷台を無蓋のままにしておく必要性がないのであれば、車中泊にはこっちの方がずっと便利だ。
そして、壁が垂直に立った四角い軽トラ用シェルの内部の広さは圧倒的で、普通の軽バンの荷室の広さの比ではない。
比較するなら軽バン相手より、ずっと車格が上のハイエースやキャラバンの荷室と比較した方がその広さを理解しやすいと思う。
荷台内寸の横幅は1.41mと書いたが、これは床面の幅なので、左右のアオリのフレーム間の数値だ。
アオリの壁から壁までを測るともう少し広い。
同様に、私の使用しているBoo3もクルマの横幅を目一杯使っているため、左右のパネルからパネルまでの内寸を実作すると床面の横幅の数値より大きく、1.46m程度あった。
そして、壁が垂直に立っているため、その幅が天井まで続いている。
対して、ワイドボディーではない普通のハイエースやキャラバンの横幅は、小型車枠の規格が最大で横幅1.7mなので、横幅の外寸はぎりぎり1.7mを切るサイズなのだが、現行の日産キャラバン(ワイドボディーではなく標準)のカタログを見ると、荷室の最大幅は1.52mとなっているので、18cm近くロスしていることになる。
しかも、これは本当に一番広い部分の数値であって、荷室全体の横幅が1.52mあるわけではなく、室内に膨らんだ部分が結構あり、四角いように見えても壁は垂直ではなく上の方が狭くなっている。
旧型(E25型)ではあるが、私のキャラバンで実測してみたところ、リアサイドウィンドウ上辺辺りの横幅は1.4mあるかないか程度までに窄まっていた。
そして、ハイエースやキャラバンの荷室内には、さらに軽トラの荷台にはないタイヤハウスの出っ張りもある。
室内高に関しては、Boo3は1.35m程あるのだが、横幅同様僅かなフレーム部分などは除き、隅から隅までこの高さだ。
それに対し、現行のキャラバンのカタログ上の最大室内高は1325mmとなっているのだが、天井もやはり平らではないので、実際にはもっと低い部分が多い。
そして先程も書いた通りタイヤハウスの出っ張り部分があり、ここは横幅だけでなく室内高も低くしている。
要するに、Boo3のように壁が垂直に立った軽トラのシェル内の横幅と室内高は、ハイエースやキャラバンの荷室とほぼ互角か、むしろ外側は小さな軽トラのシェルの方が勝るほどなのだ。
荷室長に関しては、ハイエースやキャラバンが最大で3m程度ある(たたんだ後席の厚みは含まず)ので、全くかなわないが、後部座席を出した状態のハイエースやキャラバンの荷室長よりは軽トラの荷台長の方が長い。
要するに後部座席を出した状態のハイエースやキャラバンの荷室よりBoo3の内部の方がずっと広いのだ。
そして、壁が垂直に立っていて、平らな天井の続くシェルは、内部に入ってみると実際以上に広く感じる視覚効果も見逃せない。
中に入ってみると、とにかく思った以上に広く感じるのが軽トラのシェルだ。
【車中泊車としての軽トラの魅力】シェルのタイプ
シェルには、大きく分けると床がなくて既存の荷台の上に被せるような上半分のようなタイプと、床もある独立した箱ごと荷台に載せるタイプの2種類がある。
Boo3は前者のタイプだが、後者と比べると軽く作れることが大きな利点で、エンジンの小さな軽自動車では少しの重量の差でも走行性能や燃費に大きく影響するため、走行性能や燃費を重視するなら、こちらの方が良いと思う。
対して、後者の魅力は前者より天井高の高いものが作りやすく、中を完全に部屋状態にしやすいことだ。
少々荷台っぽさの残る前者より、居住性を何より重視する人や、中に半ば住んでしまいたいと思うような人にはこちらが良いと思う。