【車中泊車としての軽トラの魅力】軽トラの荷台

荷台の活用方法を考える前に、荷台の大きさはどのくらいあるのか、まずは実際の数字を見てみよう。

ハイゼットとキャリイの荷台サイズ

荷台長というのはキャビンの背面から後ろのアオリまでの長さのことだが、現行のハイゼットとキャリイはこの数値が全く同じで、1,940mmとなっている。

それとは別に荷台フロア長というのがあるのだが、これは要するに床面の端から端までの長さのことで、荷台長より少し長くなり、これも両車全く同じで2,030mmとなっている。

荷台幅は床面の幅のことだが、これまた両車全く同じで1,410mmだ。

軽トラ3台経験者が語る!車中泊車としての軽トラの魅力と活用方法
Daihatsu(画像=『MOBY』より 引用)

アオリの高さは微妙に違うようであるが、規格で決まっているかのようにハイゼットとキャリイの荷台の大きさは同じだ。

そして、これは大抵の人が真っすぐ向いて足を伸ばしても余裕で寝られるサイズだ。

それだけでなく、大人二人が無理なく寝られる幅だと思い、ベッド(寝台)の大きさについてググってみたところ、幅140cm長さ195cmくらいのベッドをダブルベッドと呼ぶそうだ。

奇しくも軽トラの荷台はダブルベッドとほぼ同じ大きさということのようだ。

ハイゼットジャンボとスーパーキャリイの荷台サイズ

キャビンを延長したハイゼットジャンボとスーパーキャリイは、キャビン内の環境が快適で、濡らしたくない物や貴重品などの手回品、常備品などを積んでおけるスペースができるなど何かと便利でもあるが、キャビンを延長した分荷台の長さは短くなってしまう。

カタログを見ると、ジャンボの荷台長は1,650mm、スーパーキャリイは1,480mmとなっている。

このサイズでは真っ直ぐ向いて寝られる人はかなり限られてしまうが、特にスーパーキャリイは殆どの大人が無理な寸法だ。

実際、現在私が使用しているBoo3というシェルを積んだハイゼットジャンボを見て、「この中で真っ直ぐ寝られるの」とよく訊かれる。

しかし、ハイゼットジャンボとスーパーキャリイには外観からは気付かれにくい工夫がある。

どちらもキャビンを延長した部分の下が掘られたようになっていて、ジャンボは1,990mm、スーパーキャリイは1,975mmの荷台フロア長を確保しているのだ。

軽トラ3台経験者が語る!車中泊車としての軽トラの魅力と活用方法
Suzuki(画像=『MOBY』より 引用)

これは、最低でも六尺(約1,820mm)の長さの脚立やコンパネなどを積めるようにするための対策なのだが、軽トラが立派なお仕事車である証だ。

そして、キャビンの下に掘られたような部分の高さは、スーパーキャリイが23cmとなっていて、ハイゼットジャンボはその数値が見当たらなかったのだが、実測したところ24cmくらいあった。

私の足のサイズは27cmだから、この下に足を入れるとつかえてしまいそうだが、普通爪先を垂直に立て寝ることなどない。

荷台にはオプションの5cm厚の硬めのウレタンマットが敷いてあり、寝るときはさらにその上にスリーピングマットを敷いているが、ここに足を突っ込んで無理なく寝られている。

【車中泊車としての軽トラの魅力】シェルや幌がなくても宿泊はできる

宿泊のために軽トラを使用するのなら、荷台に箱か小屋(シェル)を積むか、幌をかけることを考えるのが一般的ではないかと思う。

軽トラ3台経験者が語る!車中泊車としての軽トラの魅力と活用方法
(画像=『MOBY』より 引用)

しかし、雨や雪の心配がなければ星空の下で寝るのも気持ち良い。

しかも荷台は地面から浮いているから、テントのように地面からの湿気を気にする必要がないのも大きなアドバンテージだ。

荷台のことを英語でベッドと言うが、軽トラの荷台は青空の下に置いた文字通りダブルサイズのベッド(寝台)になるのだ。

軽トラ3台経験者が語る!車中泊車としての軽トラの魅力と活用方法
(画像=『MOBY』より 引用)

また、仕事の都合などで、シェルを積んだり幌仕様にしたりしたくない人もいると思うが、軽トラの荷台は上の写真のように色々な使い方ができることもに魅力だ。

なので、敢えて荷台にシェルなどを積んでしまわず、天気の良い夜はそのまま寝て、心配な時だけ荷台にテントを張るとか、タープを被せて使うなんていうのもありだ。

実際私も初代四駆ハイラックス(RN36)に乗っていた若い頃は、基本は屋根なし、雨や雪の心配のある時は荷台にタープをかけ、あまりに雨や雪が激しい時はシングルキャブの狭い車内に逃げ込んで体を折って寝ていた(若いからできたことだが)。

タイヤハウスのない軽トラの平らな荷台なら普通の小型テントを張るのにも好都合で、後ろのアオリも開いて使えば床の長さが2.3mを超えるので、長さ的にも張れるテントが多いと思う。

下の写真のようなフレームと専用オプションのテントなどもいくつかのメーカーから市販されている。

軽トラ3台経験者が語る!車中泊車としての軽トラの魅力と活用方法
(画像=『MOBY』より 引用)

私は現在Boo3というシェルを積んで軽トラを使用しているが、写真のようなフレーム付きなら荷台に乗ってSUPのボードやカヤックの積み下ろしができて、普段使いに便利そうなので、荷台にフレームというのにも大いに気持ちがそそられている。

シェルを積まないでおけば、無蓋のトラックとして様々な仕事に使うこともでき、バイクのトランスポーターなどとしても使うことができる

軽トラ3台経験者が語る!車中泊車としての軽トラの魅力と活用方法
(画像=『MOBY』より 引用)

シェルや幌なし荷台の軽トラは自由度が高いことが大きな魅力だが、シェルを積んだ軽トラや軽バンより宿泊時の手軽さでは劣るので、それなりにアウトドアの経験が豊富な人や、工夫ができる人向きと言えるかもしれない。