NISAで少額投資を行うとき株主優待目当てで銘柄を選ぶのも手だ。ここでは優待でおすすめの20銘柄を紹介していこう。また、配当利回りと優待利回りの合計や長期保有特典やなど選び方もわかりやすく解説。NISAでの優待株式投資のメリットや注意点を含め紹介していこう。

目次
1,株主優待とは
2,NISAでの株主優待銘柄を買う方法とメリット
3,配当+優待利回りで探す おすすめ銘柄5選
4,長期保有特典で探す おすすめ銘柄5選
5,単純に欲しいもので探す おすすめ銘柄10選
6,NISAで優待銘柄を選ぶ際の2つの注意点
7,偏った投資にならないようにバランスを考えて

1,株主優待とは

株主優待とは、企業が自社の株式を保有している投資家に商品やサービスを提供する制度だ。

株主優待の仕組み

株主優待は、企業が個人株主を増やすために行っている利益還元制度。自社の製品やサービスを知ってもらうことで、ファンを増やすという狙いもある。株主優待を受けるためには、「権利付最終日」に株式を保有している必要がある。株主優待を受けられる回数は年1回または2回など、銘柄によってさまざまだ。

株主優待は何がもらえる?

優待として贈られるものは、自社製品・サービスの利用券や割引券、食品や飲料、名産品、金券やカタログギフトなどがあり、企業によって異なる。優待制度は任意なので、すべての企業が行っているわけではないが、NISAがスタートしたことで個人投資家を意識した株主還元策に取り組む企業が増えている。2020年10月時点では、上場企業の4割にあたる約1,520社が優待制度を採用しており、新設する企業も多い。

2,NISAでの株主優待銘柄を買う方法とメリット

ここからは、NISA口座で株主優待銘柄を買う方法と、そのメリットを見ていこう。

NISAで株主優待銘柄を買う方法

年間120万円以下で買えて、株主優待制度を採用している国内上場株式を選ぶ。これが、NISA口座で株主優待銘柄を買う方法である。

NISA対象銘柄には、国内株式のほか海外株式や投資信託、REITなどがあるが、株主優待を受けられるのは国内株式の必要単元数を保有する人だけだ。しかも、最低投資金額が120万円以下のものに限られる。

証券会社のスクリーニング機能などを使い、条件に合う銘柄を選ぼう。ただし、優待狙いの国内株式だけでNISAの非課税投資枠をすべて使ってしまうと、ポートフォリオのバランスが偏ってしまうので注意したい。

メリットは「非課税効果の最大化」と「楽しみ」

株主優待で受ける利益はもともと非課税なので、非課税制度を利用するメリットはないように見える。では、NISAで株主優待銘柄を保有する理由は何だろうか。それは、できるだけ長く株式を保有することで、非課税効果を最大化するインセンティブが働くからだ。

短期的な値動きに一喜一憂して売買を繰り返してしまうと、せっかくのNISAの非課税効果が短期で終わってしまう。そうならないためには、値上がり益だけでなくインカムゲインも狙うことで長期保有を意識する必要がある。株式投資におけるインカムゲインとは、「配当」と「優待」のことだ。

配当金には本来20.315%の税金がかかるが、NISA口座で保有すれば税金を差し引かれることなく配当金を受け取れる。「それなら高配当の株式を狙えばよい」と思うかもしれないが、それでは面白みに欠ける。年に1~2回受け取れる優待という楽しみは、NISAを長期運用する動機になる。些細なことに思えるかもしれないが、この動機は長期運用で意外と効果を発揮するのだ。

国内株式のほとんどはNISAの対象であり、その4割に株主優待制度がある。ここからは、数ある選択肢の中から銘柄を選ぶ方法を3つ紹介しよう。

3,選び方1,配当+優待利回りで探す おすすめ銘柄5選

優待品の価値を、その優待を取得するためにかかった金額で割ったものを「優待利回り」という。例えば、1株100円の株式を1,000株以上持っていると3,000円分の優待品がもらえる銘柄の優待利回りは3%だ。優待利回りが高くなるほど、少ない元手で多くの利益を手にすることができる。

安定的なインカムゲインを得るためには、優待だけでなく配当にも目を向けたい。配当利回りとは、1株あたりの年間配当金を株価で割ったものだ。投資金額に対し、どれくらいの配当金を受け取れるかを示す数値だ。一般的に配当利回りは、3%以上あると高配当といわれる。東証1部全銘柄の平均配当利回りは1.91%だ。

金融情報サービス会社QUICKのデータをもとに、

  • 配当利回りが平均以上
  • 配当+優待利回りが高い
  • 最低購入額が120万円以下

の銘柄を抽出した。以下はその一例である。

銘柄 株価※ 優待概要 優待利回り 配当利回り
大東建託
(1878)
9,510円
(100株)
サービス利用時優待+商品券 192.01% 4.34%
オリックス
(8591)
1,375.5円
(100株)
カタログギフト、レンタカーや
プロ時野球観戦などの割引
62.32% 5.52%
大和証券グループ
(8601)
437.3円
(1,000株)
名産品、入居時費用割引 67.83% 4.81%
モーニングスター
(4765)
496円
(100株)
仮想通貨+
株式新聞ウェブ版無料購読
62.35% 3.19%
TOKAI HD
(3167)
1,075円
(100株)
飲料水、クオカード、食事券 95.37% 2.64%

配当や優待は高ければよいというものではないが、株主還元策に積極的な企業であることは評価できる。ここからは、ピックアップした企業の業績や株主優待の詳細を確認していこう。

大東建託……賃貸住宅の建築請負から一括借り上げ、賃貸仲介のトップ企業

住宅の賃貸経営事業において、圧倒的な存在感を放つ大東建託。賃貸物件の建築から入居者募集・斡旋まで、35年一括借り上げを中心とした長期的な賃貸経営受託システムを備える。2020年の業績は、入居斡旋件数および管理戸数の伸びは堅調だが、コロナ禍による訪問営業の自粛は後々業績に響いてくるかもしれない。

優待サービスの内容は、建築工事請負代金のキャッシュバックなど同社のサービス利用時の優待と商品券、寄付のいずれか。保有期間が1年以上なら、これらに加えて飲料や商品券などの優待も受けられる。

オリックス……多角的に事業を展開するグローバル金融サービス企業

業種は「金融業」「リース業」に分類されるが、多角的に事業を展開しており、売上に占める海外比率も高い。コロナ禍で宿泊・航空機リース、レンタカー事業は打撃を受けたが、銀行・保険・環境エネルギー事業が健闘している。

株主優待は、3月と9月の年2回。

  • プロ野球公式戦優待価格観戦
  • レンタカー利用料30%割引
  • 水族館入場料10%割引
  • ホテル・旅館宿泊割引

など、主にオリックスグループが展開する各種サービスを割引価格で利用できる「株主カード」が贈られる。「ふるさと優待」では、3年以上継続保有の場合はカタログギフトがワンランクアップする。

大和証券グループ……業界2位の大和証券を中心とする証券グループ

大和証券、大和アセットマネジメント、大和ネクスト銀行、大和総研などを傘下に持つ証券グループ。ちなみに、りそな銀行の前身の一つである大和銀行とは一切関係がない。顧客訪問自粛からリテール部門が苦戦しているが、債券売買やIPOなどで法人部門が業績をけん引している。

優待品として、「株主優待カタログ」「会社四季報」「寄付」を選択できる。会社四季報とは、実に証券グループらしい優待だ。金額や選択数は、保有株数によって変わる。2020年6月には株主優待拡充を発表し、話題になった。変更後は、「変なホテル」をはじめとするグループ企業が保有するホテルの宿泊割引が適用される。

モーニングスター……投資家向けに投資信託の格付けや金融・経済情報を提供

事業は、資産運用全般の情報を比較・分析・評価して提供する「ファイナンシャルサービス事業」と、投資信託の設定、募集、運用や投資助言を行う「アセットマネジメント事業」に分かれる。非対面での情報発信に長けており、金融商品説明アプリや資産運用セミナーのWeb開催などの新施策を進める。

株主優待として仮想通貨が進呈されるのは、先進的で興味深い。仮想通貨XRP(リップル)を50単位、1XRP=30.90円(2020年2月20日17:05時点)で換算すると、1,545円相当だ。受け取りにはSBIグループの暗号資産交換業者であるSBI VCトレードの口座が必要だが、値上がりする楽しみがある。加えて、株式新聞ウェブ版の無料購読も利用できる。

TOKAIホールディングス……東海地方を地盤にLPガスやCATV、建築などを手掛ける

LPガス、インターネット、CATV、アクア(宅配水)、住宅設備、セキュリティ、保険、ブライダル、介護、総合リフォームなど、生活に密着したサービスや商品を扱う。営業エリアは静岡県が中心だが、全国展開もしている。

株主優待は、年2回実施される。3月31日現在および9月30日時点で株主名簿に記載がある株主を対象に

  • 飲料水宅配サービス関連商品
  • 商品券(QUOカード)
  • グループレストランお食事券
  • TLCポイント(同社グループ会員サービスのポイント)」
  • LIBMO(格安SIM/スマホサービス月額利用料割引)

のいずれかと、グループ結婚式場共通婚礼10%割引券およびグループレストランのお食事20%割引券が贈呈される。多彩な優待が特徴的だが、営業エリア外で優待を受ける場合は選択肢が限られるため注意が必要だ。

4,選び方2,長期保有特典で探す おすすめ銘柄5選

株主優待の中には、「長期保有特典」が設定されているものがある。通常の優待内容に保有期間と保有株数に応じた特典が上乗せされる、または長期保有者特有の優待が用意されている。NISAの非課税期間は5年なので、せっかくなら長期保有の特典が受けられる銘柄を選びたい。

以下の表は、

  • 優待利回りが高め
  • 長期優待がある

銘柄を抽出したものだ。

銘柄 株価(円) 優待概要 長期優待内容
イオン
(8267)
2,842円 買い物優待カード 3年以上継続保有した株主に
自社ギフトカード
(1,000株ごとに2,000円)
日本航空
(9201)
1,641円 株主割引券 3年以上継続保有の場合、割引券追加
RIZAPグループ
(2928)
139円 RIZAPグループ商品
との交換ポイント
交換ポイントは、3年間繰り越し可能
明和産業
(8103)
423円 クオカード 保有株数と保有期間に応じて贈呈
FPG
(7148)
466円 UCギフトカード 保有株数と保有期間に応じて贈呈

長期保有特典は、条件によって内容が変わる。例えばFPGの場合、1,000株以上なら1年以上で2,000円相当、2年以上で2,500円相当、3年以上で3,000円相当だ。多く保有するほど優遇される仕組みだが、投資可能金額と照らし合わせて優待の内容を見積もるようにしたい。

イオン……国内に2万店舗を展開する大手総合スーパー、M&Aで成長を続ける

時価総額で、総合スーパー業界第1位。全国に店舗を持つ大手流通企業だ。食品スーパーやドラッグストアにとどまらず、不動産、金融、サービス事業も傘下に入れることで成長を続けている。

コロナ禍でモール休業や衣料販売の不振が響いたが、巣篭もり需要でスーパーマーケットが好調だったため、減益幅はやや縮まった。生活必需品については需要が高止まりしそうだが、総合スーパー事業では稼ぐ力の弱さが目立つ。

株主には、会計時に割引またはキャッシュバックが受けられる「イオンオーナーズカード」が贈られる。割引率は、保有株数に応じて高くなる。3年以上の長期保有者には、イオンギフトカードが追加で進呈される。日常的にイオンを使っている人には、メリットが大きいだろう。

日本航空……経営破綻から復活した航空大手、移動の多い投資家にうれしい優待

株主優待でも有名な日本航空(JAL)は、国内・海外ともに業界2位の航空大手。2010年1月に会社更生法の適用を申請し経営破綻したが、翌年に会社更生手続きが終結し、2012年9月には東証一部再上場を果たした。

航空会社の経営状態は苦しく、日本航空も海外渡航の制限やインバウンドの大幅減により業績が大きく悪化した。配当については、2020年の中間期の無配が決定している。

それでも、利用する人にとって株主優待の魅力は大きい。国内線の航空運賃が半額になる株主割引券、国内パックツアー商品が7%割引、海外ツアー商品が5%割引になる特典を利用できる。3年以上継続保有すると、割引券の枚数が増える。

RIZAPグループ……ダイエットやゴルフレッスンなど独自のビジネスを展開

パーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」を主力とするサービス事業や、美容・健康商品販売を手掛ける。「結果にコミット」と謳うCMが有名だ。マーケティング力に強みがあり、60歳以上を対象とした「ライザップシニアプログラム」など時流に沿った施策を打ち出すことを得意とする。

株主優待は、100株でRIZAPグループの商品と交換できる株主優待ポイントが2,000ポイント進呈される。交換商品には、ヒット商品の「豆乳クッキー」も含まれる。株主優待ポイントが最長3年間積み立てられるので、長く持つほどメリットが大きい。

明和産業……株主還元に力を入れるBtoB企業、高機能素材や自動車部品を扱う

化学品や樹脂製品、炭素繊維などを扱う中堅商社。中国、ベトナムといったアジア諸国との取引に強みがある。自動車部品や燃料電池の分野で不可欠な素材を取り扱っているため、今後の業績拡大が期待できる。

一般の個人にはなじみのない企業だが、個人投資家との接点を持つために配当や株主優待を積極的に取り入れている。優待内容は汎用性の高いクオカードで、1,000株以上を2年以上保有すると2,500円分のカードをもらえる。自社製品を優待品にすることが難しい企業は、このように金券を進呈するケースが多い。

FPG……高収益企業や個人富裕層のファイナンシャルサービスを提供する専門家集団

リースファンド事業、不動産ファンド事業、保険仲立人事業、M&A事業などを展開する独立系金融サービス会社。全国の会計事務所や金融機関とのネットワークがあり、中小企業や個人オーナー、個人富裕層にさまざまなサービスを提供している。

高配当、高優待利回りで有名だが、業績が悪化しため減配や優待内容の見直しが行われた。それでも配当利回りは3%を超える。株主には、優待として保有株数や保有期間に応じたUCギフトカードが進呈される。UCギフトカードは利用できるところが多く、利便性が高い。優待は1年以上継続保有の株主が対象で、保有期間によってギフトカードの金額が増える。

5,選び方3,単純に欲しいもので探す おすすめ銘柄10選

優待利回りが高くても、使う機会のない企業の自社製品割引券などは持っていても意味がない。例えば、行く予定のない宿泊施設の割引券などだ。NISAにおいても通常の株式投資においても、「興味のある企業に投資する」ことが重要だ。そこで、優待が人気の代表的な銘柄を紹介しよう。

銘柄 株価 優待概要
日清食品HD
(2897)
9,090円 自社グループ会社製品詰め合わせなど
明治HD
(2269)
7,760円 自社グループ会社製品詰め合わせ
ヤクルト本社
(2267)
5,170円 乳酸菌飲料等の自社商品の詰め合わせ
カゴメ
(2811)
3,850円 野菜ジュースなどの自社製品の詰め合わせ
キューピー
(2809)
2,220円 マヨネーズ・ドレッシングなどの
自社製品の詰め合わせ
サッポロHD
(2501)
1,904円 「ビール詰め合わせ」か
「食品・飲料詰め合わせ」
アサヒグループHD
(2502)
3,690円 「株主特製ビール」、「酒類詰め合わせ」、
「飲料・食品詰め合わせ」
ANA HD
(9202)
2,253円 搭乗優待券、優待のクーポン冊子
西日本旅客鉄道
(9021)
9021円 運賃の50%割引券、博物館入館割引券、
ホテル宿泊割引券
吉野家ホールディングス
(9861)
1,959円 100株以上で飲食券(300円)10枚

(※2020年11月9日終値、売買単位は100株)
 

食品系や飲食系の企業なら、お歳暮をもらうような楽しみ方ができる。出張や旅行が多い人なら、旅行会社や航空会社、鉄道会社の割引券もよいだろう。外食企業も、食事代の割引券を提供しているところが多い。複数の保有銘柄のうち1つくらいは、単純に欲しいもので選んでもよいだろう。

日清食品HD……即席ラーメンの先駆者は自社商品狙いの株主優待の定番

カップ麺の国内シェアは5割以上、袋麺でもトップクラスの売上を誇る。外出自粛によるインスタント食品の需要増によって、コロナ禍でも2020年4~6月期の決算では売上収益、営業利益ともに同四半期の過去最高を更新した。

同社製品の詰め合わせが届く株主優待は、人気がある。保有株数や保有期間に応じて、定番の即席麺やお菓子類、新商品やオリジナルキャラクターグッズなどが届く。1,000株以上なら4,500円相当の当社グループ会社の製品詰め合わせと、1,500円相当のひよこちゃんオリジナルグッズが年2回進呈される。

明治HD……カールなど有名ブランドを有する時価総額第2位の食品企業

カールやブルガリアヨーグルトなど、多くの有名ブランドを持つ明治ホールディングス。巣ごもり需要でブルガリアヨーグルトが売上を牽引し、増益を果たした。中国のアイスクリーム需要の高まりを受けて生産拠点を新設するなど、海外にも注力している。

株主優待として、年に1回お菓子などの同社グループ製品詰め合わせが贈られる。100株以上で2,000円相当、500株以上で3,500円相当、1,000株以上で5,000円相当だ。

ヤクルト本社……乳酸菌飲料と医薬品の販売、プロ野球球団で抜群の知名度

主力商品のヤクルトは、女性訪問販売員による強固な販売網により国内外で広く販売されている。その他、数多くの特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品も手掛ける。化粧品事業では、乳酸菌由来の保湿成分の開発を進める。抗がん剤を中心とした医療・医薬分野での取り組みも見られる。コロナ禍で食品・飲料の売上が落ち込んだが、販売員の営業活動自粛によるコスト減で、ある程度カバーできたようだ。

ヤクルトの優待品は、乳酸菌飲料や果実・野菜ジュースといった飲料が中心。東京ヤクルトスワローズオフィシャルファンクラブに年会費無料で入会できる。100株以上を3年以上継続保有している株主には、基礎化粧品「リベシィ」も贈られる。

カゴメ……トマトの栽培から加工、販売まで手掛ける健康志向が追い風の食品会社

トマト加工品の国内最大手。野菜ジュースやケチャップは、家庭の食卓でもおなじみだ。「野菜生活」シリーズが売上をけん引する。トマトにおいては農業から調達、生産、加工、販売まで一貫したバリューチェーンを持つ。同社にとって、近年の健康志向は追い風だ。

優待内容は、100株以上なら2,000円相当、1,000株以上なら6,000円相当の自社製品。株価水準から、1,000株は少しハードルが高いかもしれない。野菜ジュースの他、スープや調味料が付くこともある。優待は、6ヵ月以上継続保有が条件だ。

キューピー……マヨネーズ、ドレッシングで国内首位、食品物流でも存在感

マヨネーズやドレッシングは、日本ではキューピーが初めて製造・販売した。家庭向け商品の他、業務用食材も取り扱う。時代の流れに合わせて、パスタソースや育児食・介護食などの幅が広がっている。総菜やカット野菜は、共働き世帯からのニーズが高い。食品物流専門会社としての一面もあり、2014年にジャムで有名なアヲハタを子会社にした。

優待品は、マヨネーズ・ドレッシングといった自社製品の詰め合わせ。100株以上で1,000円相当、6ヵ月以上継続保有して株式名簿に2回以上名前が載っていることが条件。長期保有を促すのが狙いだ。

サッポロHD……徹底した原料へのこだわりに定評がある酒類・飲料メーカー

ビール類国内シェア4位。ビール事業を中心とした酒類事業、レモンやスープ、飲料などの食料品事業、恵比寿ガーデンプレイスに代表される不動産事業が柱だ。「エビス」や「黒ラベル」など、長く親しまれている看板ブランドを有する。2013年に株式会社ポッカコーポレーションと合併し、「ポッカレモン」や「キレートレモン」なども展開するようになった。

株主優待は、「ビール詰め合わせ」または「食品・飲料詰め合わせ」。200株以上なら、子会社が経営するレストランで使える20%割引券も付く。ビールファンでなくても楽しめるような内容になっている。

アサヒグループHD……ビール類国内シェアトップの総合酒類・飲料メーカー

アサヒグループの中核事業は酒類事業で、主力商品「スーパードライ」の2019年の販売数は8,355万ケース。2位のキリン「一番搾り」の2,910万ケースを大きく上回る。コロナ禍で飲食店向け販売が落ち込んだが、家庭用リキュール部門が補完した。中国をはじめとする海外事業も順調に成長している。

株主優待は、「株主特製ビール」「酒類詰め合わせ」「飲料・食品詰め合わせ」のいずれかを選ぶ。株主特製ビールは、株式保有者限定のプレミアムビールだ。酒類詰め合わせは、ビールや新ジャンル商品の詰め合わせ。酒類が苦手なら飲料・食品の詰め合わせや、環境基金・東日本大震災への寄付という選択肢もある。

ANA HD……国内線、国際線ともに首位の大手航空会社、時価総額も業界1位

国内線旅客事業を収益基盤とし、国際線旅客事業のさらなる成長を模索。貨物・LCC・ノンエア事業についても、収益拡大を図る。コロナによる海外渡航制限やインバウンド減少の影響を強く受け、業績は大きく悪化した。ただしコスト削減などの経営努力を続けており、政府の支援もあるため、当面の資金繰りは問題なさそうだ。

交通系企業の株主優待の醍醐味は、運賃の割引だ。ANAでは、国内線全路線の片道1区間を株主優待割引運賃で利用できる搭乗優待券が進呈される。またANAグループのホテルやパッケージツアー、空港内売店、ゴルフ場などで使えるクーポン券も贈られる。

西日本旅客鉄道……北陸、近畿、中国、九州北部を営業エリアとする「JR西日本」

JRグループの1社で、営業エリア北陸地方、京阪神エリア、和歌山県および奈良県、中国地方など。旅客鉄道以外に、飲食や物販などの流通業、不動産業、ホテル業、旅行業などを営む。新型コロナウイルス感染拡大の影響は甚大で、会社発足以来の赤字となった。

苦しい経営環境にあっても、株主優待を見直す予定はないようだ。それどころか、発行済みの株主優待券の有効期限を1年延長している。優待内容もわかりやすく、優待券1枚で鉄道料金50%割引、京都鉄道博物館の入館料50%割引、グループ会社のホテル宿泊料30%割引、レストラン飲食料10%割引が受けられる。

吉野家ホールディングス……46のグループ会社を擁する牛丼チェーン大手

牛丼の老舗「吉野家」、讃岐うどんチェーンの「はなまる」、テイクアウト・回転すしの「京樽」を傘下に持つ。売上構成比は吉野家が5割を超えるが、国内外に46ものグループ会社を抱える。新型コロナウイルスの感染拡大による外食自粛を受けて、テイクアウト対応に力を入れる。

同社の株主優待は実用的で、国内の吉野家、はなまる、京樽で利用できるサービス券が進呈される。100株でも半年で10枚の300円サービス券がもらえるので、よく利用する人にとってはお得感が大きいだろう。

6,NISAで優待銘柄を選ぶ際の2つの注意点

NISAにおける優待狙いは、長期投資のインセンティブを高めるという副次的な効果を期待するものなので、本来の目的を見失わないようにしたい。

注意点1,優待利回りだけを基準としない

優待に着目すると、優待利回りが気になるものだ。優待利回りが10%を超える銘柄も少なくない。

しかし、それだけをNISAの銘柄選びの基準とするのは危険だ。配当利回りや優待利回りが極端に高い銘柄の中には、株価の下落によって優待利回りが高くなっているものもある。

また、話題性を高めるための一時的な増配・優待も考えられるため、過去の配当や優待の実績も確認しておきたい。銘柄選びの基本は、やはり業績や財政状況といったファンダメンタルズにある。

注意点2,権利確定日のスケジュールを確認

株主優待を受けるためには、「権利確定日」に株式を保有している必要がある。

株式は買付から受渡まで2日かかるため、権利確定日の2日前の「権利付き最終日」までに買い注文を出すようにしよう。

権利付き最終日の翌日を「権利落ち日」という。高配当銘柄や優待注目銘柄などは、権利落ち日に株価が急落する傾向がある。権利狙いで株式を購入し、権利落ち日に売り抜ける投資家がいるためだ。NISAで長期運用を考えている場合は、このような短期的な株価の変動に左右されないことが大切である。

7,偏った投資にならないようにバランスを考えて

株主優待を受けるのは楽しいため、ポートフォリオが優待銘柄に偏ることがある。120万円を世界の株価指数に連動するインデックスファンドに使う場合と、いくつかの優待銘柄に使う場合では、リスク分散効果に大きな差が出る。NISAでの投資総額600万円をすべて優待銘柄に投じるのではなく、全体のバランスをよく考えてポートフォリオを組んでほしい。

実際にNISAを始めてみる

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篠田わかな
執筆・篠田わかな
外資系経営コンサルティング会社にて製造・物流・小売部門のコンサルタントとして業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。
外資系経営コンサルティング会社にて製造・物流・小売部門のコンサルタントとして業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。

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