金融事業では自社決済利用層の拡大を目指す
PPIHに関しては近年、リテールメディア事業以外にも金融業に関する報道が見られるようになった。決算資料でも金融事業に関する記載が見られ、中期経営計画では金融事業において営業利益60億円(2025年6月期)という目標を掲げている。金融事業において今後、どのようなサービスを展開していくか。
「基本戦略といたしましては現在約40%の決済比率がある自社決済利用層を25年6月期までに50%超に拡大し、金融の収益機会の拡大とコスト削減を図っていきます。自社決済利用層の拡充に向けた取り組みは、 拡大したmajicaアプリ会員に対してCRM施策を実施し、チャージ、ポイント、クーポンの3つの取り組みを強化していきます。現在準備を進めているmajicaアプリのニューアルに関しては、決済機能の強化(銀行口座チャージ、後払いチャージ、クレジットカード払い)や外部利用といった顧客サービスの充実を図っていくと同時に、当社の強みである店舗や商品と連携した販促を強化していきます」(同)
ドン・キホーテでは自社発行の電子マネーとして「majica」を2014年から発行しているほか、「majica donpen card」「UCSカード」などのクレカを提供しており、これらを使った支払いを自社決済と位置づけている。現状、majicaへのチャージは店舗でのレジ、チャージ機を使った入金もしくは、PPIH系列のクレカによる支払いに限られるが、銀行口座チャージや他のクレジットカードを使った支払いにも対応することで新規顧客の獲得を目指すとしている。現在進めているmajicaアプリのリニューアルで、こうしたサービスが追加されるようだ。確かにmajicaへのチャージ方法が限られている現在は閉塞的に見え、新規顧客を獲得しにくい印象がある。チャージに関して通常の銀行系クレカにも対応できれば、より多くの顧客を得られ、自社決済利用層が増えるかもしれない。