■看過できない「女性差別」

タリバンは、イスラム法によって統治するとして、たとえば女性の教育や就労を制限している。

先月には美容院の閉鎖を命じている。国際社会はこれに反発し、タリバン政権を承認する国は1カ国もない。女性差別の撤廃が経済援助の条件だと圧力をかけているが、今のところ、タリバン側は、それに反応していない。

イスラム国でも、トルコやチュニジアなどでは、女性の権利が認められており、私はチュニジアに出張したとき、法服を着た女性裁判官がチュニスの町を闊歩しているのに遭遇し、驚いたものである。

イスラムの教えは、女性を差別せよというものではなく、弱き者(女性)を助けよ、そして、美しい部分を夫や父親以外の男に見せてはならないというものである。そのため、ベールやブブカで顔を隠すのである。男に言い寄られて危害が加えられることを避けたいという願いなのである。

預言者ムハンマドの活躍した7世紀と今では時代が違う。タリバンには柔軟な対応を望みたいが、今のところ、その兆しはない。