日本にとって8月15日は終戦記念日であるが、アフガニスタンでは、2年前の8月15日にタリバンが復権している。タリバンとは、イスラム原理主義の神学生らが、1994年に結成した武装集団である。
マドラサ(イスラム神学校)の学生をアラビア語で「タリブ」と呼び、その複数形をパシュトゥー語で「タリバン」という。この名称がメディアでよく使われるようなったのである。そして、1996年には、アフガニスタンで政権を樹立した。
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■ソ連軍のアフガニスタン侵攻
アフガニスタンでは、1978年に共産主義を掲げるアフガニスタン人民民主党が政権に就いた。しかし、これに対抗する武装勢力は激しい抵抗運動を展開し、全土を制圧する勢いとなった。そこで、共産主義政権はソ連に助けを求めたのである。
この要請に応えたソ連のブレジネフ政権は、1979年12月24日、アフガニスタンにソ連軍を侵攻させた。ムジャーヒディーンと称する兵士たちは、抵抗活動を「聖戦(ジハード)」と位置づけて戦ったが、世界中からイスラム教徒の義勇兵が馳せ参じたのみならず、アメリカや隣国のパキスタンが背後で武器援助などを行った。
こうして泥沼の戦争が10年も続いたが、ゴルバチョフの登場により、1989年2月15日にソ連軍の完全撤退が完了した。10年にわたるアフガン介入は、ソ連邦の解体をもたらした大きな要因の一つである。
ソ連軍撤退の後には、アフガニスタンは内戦状態となり、パキスタンから潤沢な資金と武器を供与されたタリバンが勢力を拡大していき、1996年には国土の大半を支配下に置いたのである。