自己管理も完璧

また遠藤にとって初となるプレミアリーグは、スケジュールがタイトだ。特にリバプールは、チームスタイルの影響やリーグ以外の大会に出場することで、毎シーズン怪我人が多く出ている。チームに加入しながらも、怪我で目立った活躍ができないまま退団していった選手は多い。

しかし、遠藤に怪我の心配はなさそうだ。ブンデスリーガにおける過去3シーズンで、わずか3試合(出場停止、コロナウイルス、脳震盪)しか欠場しておらず、MFとして最も長い出場時間(8,783分)の102試合中99試合に出場してきた。

シュツットガルトでは、遠藤は非常に献身的なプロフェッショナルとして知られており、代表戦による長い遠征を終えてトレーニンググラウンドに戻ると、まず始めにジムへ向かうという。自身のケア、タフさにおいては完璧だと思われる。


アル・イテハド MFファビーニョ(リバプール所属時)写真:Getty Images

リバプールのDMFに求められるものは?

それでは最後に、昨2022/23シーズンまでリバプールのDMFを担当していたファビーニョと、遠藤のプレーを比較してみたい。

ボール保持時、遠藤は前方へのプレーを行う。ファビーニョは真逆で、チームメイトへの短いパスでリスクを取らないプレーをしていた。リバプールのDMFはボールを保持している時、チームのコントロールと安全性を最優先に考えなければならない。これについて遠藤は、注意が必要だ。

ゴール前においては、遠藤もファビーニョもミドルシュートを持っており、引かれた相手に対して脅威になり得るだろう。

ボール非保持時は、両選手ともに素晴らしい守備を披露するが、遠藤はより人への意識が強く空中戦で優位に立つことができる。ファビーニョは、遠藤に比べると人へのアプローチが弱く、それよりもボールの進行を制限したり攻撃を妨げたりする能力が非常に高かった。

リバプールの現状に、貴重な非HG枠に、遠藤が選ばれた理由は十分過ぎるほど揃っている。ここからの日本の主将の活躍に期待したい。