築古マンションはローンが組みにくくなる

「築6~10年」も6000万円台で、「築11~15年」「築16~20年」も5000万円台と高めですが、「築21~30年」は3000万円台に低下し、「築31年~」は2193万円まで下がります。築31年以上の築古マンションなら築浅マンションの3分の1ほどの価格で手に入れることができる計算です。これなら、中古マンションの最大のメリットである、価格の安さを享受しやすくなります。そのため、東日本レインズの調査でも、最近は築浅マンションの成約件数は減少傾向ですが、築古マンションの成約件数が増えています。

ただ、築古マンションの購入には十分な注意が必要です。新築マンションより慎重な計画が欠かせません。第一には、築古ですから、そのままでは住みにくく、リフォームに費用をかける必要が出てくることが多く、その費用も考えておかなければなりません。そして、第二には、築古マンションは新築や築浅マンションに比べて、少し住宅ローンを組みにくいという問題があるのです。

中古では融資を断られた経験のある人が多い

図表2をご覧ください。これは、国土交通省の「令和4年度住宅市場調査」から、購入した住宅の形態別に、住宅ローンについて、希望融資を断られた経験があるかどうかを聞いた質問の結果を示しています。「断られた経験はない」とする人は、分譲戸建住宅(建売住宅)では85.2%、分譲マンションでは89.6%であるのに対して、中古戸建住宅は75.3%、中古マンションは84.3%となっています。中古住宅では、「融資条件を厳しくしなければ融資不可」といわれた人や、「融資は一切できない」と断られた経験を持つ人が新築に比べて数%から10%ほど多くなっているのです。

これには、いくつかの理由が考えられます。中古住宅でも竣工後の経過年数が長くなると、老朽化が進み、新築に比べると購入後に住める年数が短くなる可能性がありますから、その分を考慮して、利用できる返済期間を短くしたり、金利を高めに設定したりする金融機関があります。住宅金融支援機構のフラット35は、中古住宅でも最長35年までOKで、金利も新築と変わりませんが、民間では一部条件を厳しくしているところがあるのです。

平均年収657万円、中古マンションなら2千万円台で買えるが住宅ローンが障害に
(画像=『Business Journal』より引用)