そこで台湾のことになる。

筆者は2月21日のプーチン演説を聞き、民族自決を孕むこの問題が武力を以ってさえ台湾を統一したい習近平にとって厄介なものになると直感した。それがコソボ発言で確信となり、「習近平をジレンマに陥らせるプーチンのコソボ発言」と題する拙稿になった。

事ここに及べばプーチンは、この先もし台湾が独立をテーマに住民投票を行い、賛成多数で独立を宣言した場合、これを承認しない訳にいかなくなるだろう。それとも「さすがロシア」と言われる国柄だから、台湾独立には何事もなかったかのように反対するのか。

翻って、日ごろ台湾独立を念ずる筆者が、今般のウクライナ南東部4地域の独立を支持するかと言えば、もちろん「NO」。その理由は、ウクライナ4地域のそれが「ロシアの力による現状変更」だからだ。無論「中国の力による台湾の現状変更」にも反対だ。

ウクライナ4地域の住民投票が「ロシアによる武力を背景にしたもの」であることの証言は、9月24日の『BBC』に詳しい。それらを挙げれば・・。

武装したロシア兵が住民を戸別訪問して、編入への賛否を直接確認して回っている やってきた兵士に口頭で、(ロシア編入に賛成か反対か)答えなくてはならない。兵士はその答えを記入した用紙を持ち帰る 街の中心部に投票箱を持ったロシア兵が立ち、住民の投票を集めている 地元の「協力者」2人がロシア兵2人と共に自分の両親のアパートを訪れ、投票用紙を渡した 用意される投票用紙は1人1枚ではなく、世帯ごとだ