平方メートル単価をみると新規登録価格のほうが高くなる

 実際、新規登録価格と成約価格を1平方メートル単価に戻してみると、図表2のようになり、新規登録価格のほうが高く、成約価格はそれより低い水準で推移していることが分かります。つまり、売出し価格に基づいて売主と買主が交渉、一定の値引きを行った上で契約が成約していることになります。2022年度でみると、新規登録価格が72.59万円で、成約価格が68.55万円なので、成約価格は新規登録価格より5.6%ほど低くなっています。条件が悪い物件だと、値引き幅がそれ以上になることがあるでしょうし、反対に状態の良い物件ならほとんど値引きなしで交渉が成立ケースもあるでしょう。ですから、あくまでも平均値ということではありますが、売出し価格から5%、6%ほど低い水準で契約が成立しているケースが多いということではないでしょうか。

 この新規登録価格と成約価格の差は、中古住宅市場の環境によって異なります。市場が活況を呈しているときには、その差が小さくなり、市場が芳しくないときにはその差が大きくなるものです。2022年度は活況を呈しているので、その差が小さくなっているとはいえ、やはり一定の値引きが行われていると考えるべきでしょう。

今こそ築古マンションが売り時、値引きゼロで売却も…成約価格が売出し価格を上回る
(画像=『Business Journal』より 引用)