一連の問題をめぐっては、損保ジャパンの関与も焦点となっている。同社は不正の舞台となったビッグモーターの板金部門(自動車修理事業部門)に出向者を送り込んでいたが、その人数は2011年から計37人に上る。24日付け時事通信記事によれば、出向者のなかには板金部門の担当部長に就いていた人もいるという。昨年の不正発覚を受けて三井住友海上保険と東京海上日動火災保険がビッグモーターの修理工場への、自動車事故を起こした保険契約者の紹介を停止していたなか、損保ジャパンのみが再開し、それによってビッグモーターを窓口とする自社の自賠責保険の契約数を増やしていたことも明らかになっており、25日付け朝日新聞記事によれば、損保ジャパンはビッグモーターへの出向者を通じて不正の事実を把握していたにもかかわらず、中止していたビッグモーターとの取引を再開していた。損保ジャパンの白川儀一社長は25日に陳謝したが、近く金融庁が保険業法に基づき何らかの対応に乗り出す方針とも伝えられている。
三井住友海上と東京海上に続き、損保ジャパンもビッグモーターとの保険代理店の委託契約の終了と同社への損害賠償請求の検討に着手したと伝えられているが、損保ジャパンによる不正への関与がどのようなものであったかも、今後の焦点となる。
引き続き行われる兼重元社長による経営
保険金の不正請求が始まったとされる2018年頃から、元社長の兼重宏行氏は第一線から離れ、息子で元副社長の兼重宏一氏が経営を取り仕切っていたとされるが、宏一氏は先の謝罪会見にも出席せず、一切姿を見せていないことにも批判が強まっている。
ビッグモーターはその兼重親子が株主となっている資産管理会社の100%子会社であり、兼重宏行氏は社長辞任後も株を持ち続ける意向を示していることから、引き続き兼重氏は名実ともにビッグモーターのオーナーであり、経営に大きな影響を持ち続けることができる。
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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