目次
3. 岩登りの先には何が?「昆虫山脈」
4. 天井は1階の反転!「極限で似るものの家」
3. 岩登りの先には何が?「昆虫山脈」
「養老天命反転地記念館」の先に現れるのは、「昆虫山脈」という名前のごつごつした大きな岩が積み上がった険しさ120%のパビリオンです。
岩山の頂上には甕(かめ)と汲み上げ式のポンプがあり、どうやらポンプの蛇口からは水が出ている様子。あの頂上で、湧き出ている水を求めてやってくるのは? 緑豊かな養老山脈に生息しているさまざまな昆虫たち?
岩山の頂上を目指し、グラグラして不安定な岩にバランスを崩しそうになりながら、こわごわよじ登ったところで、すべてを理解することができます。水を求めてやってくる存在の答えは、どうやら「昆虫ではない」ということに。
むむむ、これは......。昆虫山脈は、頂上を目指して登ってみた者にしかその答えが分からない、厳しく険しい奥の深いパビリオンなのでした。
ちなみに、登るよりも降りるほうに恐怖を感じます。安全に地上へ降りるまでが昆虫山脈です。お戻りの際も、どうぞ気を引き締めて!
4. 天井は1階の反転!「極限で似るものの家」
昆虫山脈の横には、養老天命反転地のメインパビリオンである「極限で似るものの家」があります。斜面に立つ迷路状の壁と1枚の大きな屋根で構成されている建物で、屋根は岐阜県の形をしています。地面には、岐阜県の地図が描かれ、天井を見上げると屋根にも岐阜県の地図が、鏡に映したような状態で描かれています。位置関係が左右反転している岐阜県の地図は新鮮に感じられます。また、2005年に行われた「平成の大合併」よりも前に作られているため、合併前の地名が残っていて、懐かしい地名を見つけてノスタルジックな気分を味わえる方もいるかもしれません。
さて、地面と天井の反転を堪能したところで迷路状の壁を伝って中へ入ってみます。すると、内部には家具が地面だけでなく、天井や地下に取り付けられているのを見ることができます。取り付けられているというよりも、むしろ「めり込んでいる」と言ったほうが、より実態に近いかもしれません。バスタブやベッドが壁を貫通していたり、天井に卓上電話が置かれたデスクがあったりするのですが、これらの家具も屋根の造りと同じように、地面と天井にあるものが反転していて、見ているうちに「家」そのものへの疑念が湧いてきます。
中へ進むにつれ、だんだんと頭が混乱して外へ出たくなり、近くの入口から外へ出てみると、再び中の様子を知りたくなる、そんな「不思議でクセになりそう」なパビリオンが極限で似るものの家なのです。