テントの加水分解の症状2
シームテープの剥離
ポリウレタンのコーティングだけが劣化していくわけではありません。縫い目に張られている防水テープ「シームテープ」も同じように劣化していき、簡単に剥がれ落ちるようになってきます。一気に綺麗に剥がれると張り替えやすいのですが、加水分解による劣化はどこで起きるか分からないため、張り替えようとしても、劣化が進んでいない場所はきちんと張り付いていて剥がしにくいです。シームテープがないと縫い目から水が染みますよ。
症状が進むと
何年も使っていないテントを設営してみると、シームテープがすでに剥がれて垂れ下がっているということもあります。粘着力を失い自然とたれさがってくるほど劣化しているということは、フライシートもベタつきを起こしている可能性が高いです。広げるときにペリペリと音がするような場合は、加水分解が起きている状態と言えますよ。
テントの加水分解の症状3
シミや臭い
アルミクッカーを米の研ぎ汁でシーズニングしたかのように、白いシミのようなものがはっきりできるようになります。シーズニングはメリットがありますが、残念ながら加水分解はただの劣化のためデメリットしかありません。仮にベタつきの症状がなかったとしても白い汚れは非常に目立ちます。また初期の軽いベタつきよりも分解が進行していると、臭いが発生します。化学物質が劣化した臭いとなるのであまりいいものではないでしょう。
症状が進むと
ベタつき、テープの剥げ、臭いや白い汚れが目立つ状態まで症状が進んでいると、どうすることもできません。ベタつきを取り除く対処方法はありますが、完全に元に戻す方法はありません。特に思い入れがない、他のテントでもいいという方は買い替え時となるでしょう。何年も放置していたり、メンテナンスをしていなかったりする場合は短いスパンで買い替えとなり、MSRやスノーピークのような人気ブランドでもコスパが悪くなります。