数十年ぶりにキャンプに行こうと古いテントを出してみてたら、薄皮のようなものが剥がれたり、テントの生地がくっついて広げられなっていたりすることは多々あります。これらのトラブルは加水分解が原因です。今回はやっかいな加水分解とは何か、紹介します。

加水分解とは

いろいろな不具合がでる症状

加水分解とは化学物質と水による反応のために不具合が生じることです。テントの場合はポリウレタンの劣化が主な原因です。テント以外にも、消しゴム、スニーカーのソールなどいろいろなもので加水分解が発生します。靴下のゴムが反応すると、簡単にちぎれやすくなり、スニーカーはソールが割れやすくなります。テントだとポリウレタンが使われている部分すべての場所に発生して臭いやベタつき、白っぽくなるなどの症状が出ます。

加水分解は「劣化」

読んで字のごとく水が加わり分解されることです。つまりポリウレタンの劣化ということです。何十年も使わないテントはもちろん劣化しますが、たった数年でもテントの扱いが悪いと劣化します。スニーカーのソールが割れる、黄ばむ、消しゴムがベタつく、黄ばむという症状も劣化の一種です。

ポリウレタンとは

テントがベタつく現象「加水分解」とは?その予防方法と対処方法を徹底解説!
(画像=Photo byyongxinz、『暮らし〜の』より 引用)

ポリウレタンとはPUコーティングのことです。PUコーティングはスタンダードな加工ですので、化学繊維製のほぼ全てのテントに使われています。
つまりほぼ全てのテントで加水分解が発生するといえます。PUコーティングが悪いのではなく経年劣化のと捉えて付き合っていくようにしましょう。しっかりテントをメンテナンスするとPUコーティングでも何年も使えますよ。

テントの加水分解の症状1

ベタつき

フライシートの内側に施されているポリウレタンが加水分解を起こすと、一番生じやすい症状がベタつきです。通常テントの生地はサラサラすべすべしていて、手に違和感があるような質感ではありません。初期の加水分解でも違和感が出る程度にベタつきますよ。少しベタつくだけならまだ劣化が始まったばかりですが、対策を何もしないと、どんどんベタついて使い物にならなくなります。

症状が進むと

ベタついている状態のため、収納中に生地同士がくっついてしまいます。無理に広げようとすると生地が剥がれてしまい、設営できなくなるでしょう。
今回はテントの加水分解として紹介していますが、タープもポリウレタンでコーティングされているので同じようなことが起きます。コーティングが剥げると雨が簡単に内側に染み込んできてしまいます。