【目次】
自己破産のデメリット
債務整理のデメリットに関する誤解

自己破産のデメリット

自己破産とは、裁判所を介して借金を一括で免除してもらう手続きです。民事再生法に基づいて手続きが行われ、裁判所の決定をもって借金がゼロになります。

【完全ガイド】債務整理の各手続きごとのデメリットとは?制限が生じることと対処法
(画像=自己破産は、借金のみゼロになると思われがちですが、実は所有している価値の高い財産も処分されます。たとえば、家や比較的新しい車などが該当します。つまり、借金も財産もゼロとなり、最低限の資産とともにリスタートする制度であると言えます,『オトナライフ』より 引用)

自己破産のデメリットとしては、自動車や持ち家を含む財産の処分が必要になることや、一部の職業への制限が生じることがあります。また個人再生と同様に書類作成や裁判への出廷も必要で、なおかつ官報に住所や氏名が掲載されます。

自動車や持ち家を含む財産の処分がある
自己破産では、財産処分が求められます。これには自動車や持ち家も含まれるため、生活の維持に最低限必要な一部のみを除き、ほぼすべての財産が失われます。

【完全ガイド】債務整理の各手続きごとのデメリットとは?制限が生じることと対処法
(画像=自己破産における持ち家や車の扱いは、多くの人が最も気になるポイントではないでしょうか。結論としては原則、売却処分となります。ただし持ち家や車をリースバックしたり、親族が買い取った場合は住み続けることが可能です。これらの手段が現実的では無いものの、売却はしたく無い場合は自己破産以外の解決策を検討しましょう,『オトナライフ』より 引用)

職業制限が生じる
自己破産を行った場合、手続き期間中は一部の職業への就業が制限されます。例えば、弁護士や公認会計士などの職業が対象です。主な対象職種は以下の通り。

証券会社外務員、旅行業者、宅地建物取引業者、建築士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、生命保険募集人、商品取引所会員、有価証券投資顧問業者、風俗営業、質屋、弁護士、司法書士、弁理士、公証人、公認会計士、税理士、賃金業、教育委員会の委員、行政書士、警備員、警備業者、社会保険社労士、商工会議所の会員、信用金庫等の役員、公安審査委員会の委員長および委員など

書類作成や裁判への出廷が必要
自己破産では個人再生と同様に、裁判への出廷や下準備としての多くの書類作成などが求められます。

官報に住所・氏名が掲載される
個人再生と同様に、自己破産でも住所・氏名が官報に掲載されます。自己破産前と比べ、一定のプライバシーが失われた状態となります。

債務整理のデメリットに関する誤解

債務整理にはいくつかの誤解が存在します。例えば、すべての職業に制限がかかる、官報公告で必ずバレる、債務整理を行ったことが必ず家族にバレるなど。しかし、個々によって状況が異なるため、正しい情報を把握することが重要です。

誤解:すべての職業に制限がかかる
債務整理を行った場合、「すべての職業への就業に制限がかかる」という誤解があります。しかし、そもそも債務整理で職業制限が生じるのは「自己破産」のみ。なおかつ、自己破産してもすべての職業に制限がかかるわけではありません。

【完全ガイド】債務整理の各手続きごとのデメリットとは?制限が生じることと対処法
(画像=たとえば弁護士や公認会計士、質屋、旅行業者などは職業制限の対象ですが、医者や薬剤師などは制限されていません。また「会社の取締役」も、自己破産は辞任事由ですが再度の就任が制限されているわけではありません,『オトナライフ』より 引用)

誤解:官報公告で必ずばれる
債務整理を行ったことが官報に公告され、必ずバレるという誤解があります。しかし、官報公告への掲載は「個人再生」「自己破産」のみで行われ、任意整理では対象になりません。

誤解:債務整理を行ったことは必ず家族にバレる
「個人再生」「自己破産」の場合、裁判所に家計の収支や通帳の提出を求められることがあり、それらの過程で債務整理の事実がほぼ確実に家族にバレます。

一方、「任意整理」であれば手続きも少なく、裁判も不要なため、家族にバレにくいです。

たとえば任意整理を司法書士や弁護士に依頼して行った場合、官報にも掲載されず、裁判も起こされず、直接の取り立ても行われないため、家族に債務整理がバレるリスクは最小限にできます。