都心部の多く駅でリセールバリュー150%以上
東京カンテイによると、2022年に首都圏でリセールバリューが算出可能だった駅は398駅で、その平均値は132.5%でした。平均すると、10年前の分譲価格に対して、3割強高くなっている計算です。2022年のリセールバリュー調査の対象となったのは2012年前後に分譲された物件であり、当時は現在のように価格が高騰する前でしたから、いまからみれば割安感が強く、その分リセールバリューが高くなっているわけです。2021年のリセールバリューは119.8%でしたから、前年に比べても2022年の中古マンション価格の上昇がいかに大きかったかがわかります。
リセールバリューの数値別の分布をみると、価格上昇率が高かった都心や山手線沿線の駅ではリセールバリュー150%以上の駅が多く、その外側、北は大宮、西は立川、南は横浜、東は千葉あたりまでリセールバリュー100%の駅が多くなっています。ただ、さらにその外側、郊外部には100%未満の駅が散見されます。さほど多くはないのですが、都心から離れるほど資産価値が上がらず、むしろ下がる駅もあるので、場所選びには十分な注意が必要です。
都心の駅ではリセールバリュー170%以上が多い
2022年の首都圏でリセールバリューが最も高かったのは、図表1にあるように東京メトロ南北線の六本木一丁目駅の251.6%で、2位が東京メトロ千代田線の新御茶ノ水駅の208.1%でした。調査対象となった398駅のうち、リセールバリューが200%を超えたのはこの2駅のみで、六本木一丁目駅は10年間で資産価値が約2.5倍に、新御茶ノ水駅はおよそ2.1倍になったわけです。周辺の駅でも100%台後半のリセールバリューとなった駅が多く、18位の東京メトロ銀座線の銀座駅まで170%以上でした。
こうしたリセールバリューの高い駅は、相場価格が高く、平均的な会社員ではなかなか手が届きそうもありません。たとえば、六本木一丁目駅の3.3平方メートル当たりの現在の坪単価は1216.7万円ですから、70平方メートルだと2.6億円ほどになります。
でも、探してみると、リセールバリューは高いけれど、坪単価はさほど高くない駅もあります。リセールバリュー上位群の駅では坪単価500万円以上の駅がほとんどですが、リセールバリューランキング22位の小田急江ノ島線の片瀬江ノ島駅はリセールバリューが166.1%で、現在の坪単価は337.9万円です。ここなら70平方メートル換算でも7100万円ほどで中古マンションが購入できます。まだまだなかなかの高額ですが、ある程度の年収の人のなかには、何とかなりそうという人もいるのではないでしょうか。そのほか、JR根岸線の桜木町駅はリセールバリューが164.5%なのに、坪単価は379.6万円です。
