ChatGPTによるAI騒動が勃発中。

4月10日、高性能なAIとして話題のChatGPT(チャットジーピーティー)を公開しているオープンエーアイ社のサム・アルトマンCEOが日本を訪れた。岸田総理と首相官邸で面会し、AIの活用やメリットデメリットについて意見を交換、G7のトップとしては初の会合として大きく報じられている。

ChatGPTは昨年11月に公開されるとその性能の高さから大きな反響を呼んだ。1月には利用者が1億人を超えたと一部で報じられ、サム・アルトマンCEOによれば日本のユーザーは100万人を超えているという。

大きく話題になる一方で、イタリアでは個人情報の保護やデータ利用の透明性の問題から、3月末には利用が一時的に禁止され、1ヵ月ほど経過した4月28日にやっと使用禁止が解除された。

ChatGPTの元になっているAI技術のGPT-4について「これ以上強力なAIシステムの開発・運用を6か月間停止すべき」との声明が、AIの安全性について研究する団体「Future of Life Institute」によって出された。この声明には電気自動車のテスラやツイッターのオーナーとして知られるイーロン・マスク、アップルの共同創業者であるスティーブ・ウォズニアックなど、著名人らが署名している事でも話題となっている。

もっとも、この声明についてはオープンエーアイ社に出資しAI分野で先行しているマイクロソフトへのけん制、あるいは妨害としか見えない側面も大きい。AIでマイクロソフトに出し抜かれたと言われているGoogleについても、13年間同社に在籍した元社員でAIを研究してきたメレディス・ウィテカー氏が「正確性も安全性もわからない実験的な技術を公開する事は無責任で無謀」とオープンエーアイ社を厳しく批判している。

国内の大学でも論文の執筆にAIを使わないようにとお達しが出るなど、AIをめぐってはここ数か月は「大騒動」の一言だ。

とはいえ、多くの人の関心は「AIでなんか得するの?」という、この一点だけだろう。