新年度を迎えてすでに一か月、ゴールデンウイーク直前になりましたが、今年の春は東京都が4年ぶりに都立公園での飲食を伴う宴会の規制を解除しました。

社員同士の懇親を深める機会として久しぶりにお花見を企画した企業も多かったのではないでしょうか。ただ、楽しいはずのお花見ですが、社員が怪我をするなどの労災問題に発展する可能性があることをご存じですか?

いざ労災が発生すると、「どういう場合に労災認定されるのか」「どんな補償があるのか」と気になることも多いと思います。そこで雇用の専門家である社労士の立場から、労災の種類や労災が認められるポイント、知っておくべき補償内容をご紹介します。

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労災とは何か?

労災保険は、仕事中・通勤中の事故などが原因で、従業員が病気や怪我をしたり、死亡した時に補償してくれる公的な保険制度です。病気や怪我を対象とした保険というと健康保険を思い浮かべる人も多いと思いますが、労災保険は業務上および通勤に起因したもののみが対象となります。

求人情報で社保完備とあるのは、働くうえで重要な4つの保険(社会保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険)にすべて加入するという意味を持っています。中でも労災保険は、会社に雇われている人すべてが対象になる保険制度です。

最近では、業務上のストレスによる精神疾患や長時間労働が原因の過労死も労災認定されることが増えてきています。

労災保険は、正社員だけでなくパートやアルバイトも対象になります。たった1日のアルバイトや外国人でも対象となります。よく「労災保険」と「雇用保険」が混同されがちですが、労災保険と雇用保険は加入条件が異なります。雇用保険に加入してなくても、労災保険は対象になりますので注意しましょう。