目次
ChatGPTの現状と他社に与えた影響
 ・Microsoft社はChatGPT搭載の「Bing」を発表
 ・Googleは対抗馬として「bard」を開発
 ・DiscordはアプリにChatGPTを統合
GTP-4が統合されたその他のサービス
 ・語学学習アプリDuolingo
 ・教育プラットフォームKhan Academy
 ・決済サービスStripe

ChatGPTの現状と他社に与えた影響

ChatGPTは、多くのインターネットユーザーの行動に影響を与えました。公開後2ヵ月で登録者が1億人を突破したことからも、関心度の高さがわかります。

ここまで紹介したように、データの正確性については保証されていませんが、高い言語能力をもつ優れたツールであることは事実です。しかも基本的な内容がほとんど無料(今回紹介した例も、すべて無料版です)で利用できるのも驚きのポイントといえます。

ChatGPTは、インターネットでさまざまなサービスを提供する多くの企業にも大きなインパクトを与えました。続いては、2023年3月時点におけるChatGPTの現状や、GoogleやMicrosoft社などの世界的企業に与えた影響について解説します。

Microsoft社はChatGPT搭載の「Bing」を発表

ChatGPTは、個人だけでなく企業にも無料公開されています(アクセススピードの高速化やGPT-4の利用には料金を支払う必要あり)。先ほども紹介しましたが、ChatGPTを使ったキャッチコピー生成アプリなど、個別の企業がChatGPTを活用するケースも増えています。

グローバル規模の企業への影響も例外ではありません。Microsoft社は2023年2月7日、検索エンジン「Bing」にChatGPTを使ったアップグレードの実施と、同時にAIアシストを使ったブラウザ「Edge」の開始を正式に発表しました。

Googleは対抗馬として「bard」を開発

現在、検索エンジンといえばGoogle社のGoogle検索を指します。実際に世界的なシェアを見ても9割以上を占めるといわれ、インターネットで検索することをGoogle(日本語ではググる)と呼ぶこともあります。

しかし、Google社もChatGPTの登場には大きな危機感を覚えたようです。Google社内では「Code: red(非常事態)」が宣言され、2023年2月6日にはChatGPTの対抗馬となるチャットボット「bard」を発表しました。

現在bardはプレビュー版がアメリカとイギリスで公開されています。ゆくゆくは「Google 検索」に組み込まれる予定です。

DiscordはアプリにChatGPTを統合

Discord社は、音声や動画、テキストチャットサービス「Discord」を提供している企業です。基本的なチャットサービスに加えて、無料通話などのプラスアルファの機能も組み込み、2015年のサービス開始以来、急成長を遂げてきました。

Discord社では、OpenAIと提携してChatGPTの機能を統合し、ChatGPTの一部の機能を有するチャットボットとして「Clyde」をアップグレード。Clydeの利用方法がさらに広がりました。

また、Clydeはユーザー名「@Clyde」として呼び出せるため、友人とのプライベートなチャットのやり取りにも、Clydeを登場させることが可能です。

なお、Discord社では、OpenAI社にDiscord社のユーザー情報を引き渡すことはないと明言しています。そのためClydeを利用するためには、最初にオプトインし、管理者による許可が必要です。

Microsoft社はDiscord社の買収に向けて交渉を開始しています。Microsoft社もDiscord社も、いずれも自社サービスにChatGPTを組み込んでいるという共通点がある企業ですが、独自開発のサービスにオリジナリティがある点でも共通しています。買収により合併が実現すれば、さらなる技術力の進化も期待できるでしょう。

GTP-4が統合されたその他のサービス

ChatGPTのなかでも上位版であるGPT-4を自社ツールに組み込み、飛躍的な進化を遂げているサービスも多数あります。

語学学習アプリDuolingo

語学学習アプリ「Duolingo」は、リーディングとスピーキング、リスニングのスキルを習得するためのアプリです。AIと言語化学のメリットをかけあわせ、学習者ごとの習得スピードに合わせた勉強を実現できます。DuolingoにもGPT-4が搭載され、さらに使いやすさと学びやすさが向上しています。

教育プラットフォームKhan Academy

教育プラットフォーム「Khan Academy」にも、GPT-4が搭載されました。Khan Academyは、世界中のどこにおいても高い水準の教育を提供することを目的とした非営利団体です。学年別の数学や経済、美術史、物理学などの幅広いジャンルの教育を、すべて無料で提供しています。

なお、Khan Academyでは学習者だけでなく、教師や親も一緒に利用できます。学習者の進捗状況から課題を割り出し、指導に活かせるようにしています。

決済サービスStripe

決済サービス「Stripe」にもGPT-4が搭載されています。Stripeはオンライン決済に特化したサービスで、スタートアップ企業から大企業まで、さまざまな企業が導入しています。Stripeは、不正使用の対応などのセキュリティ対策にも力を入れており、将来的な成長も期待される企業です。