目次
ChatGPTのメリット3つ
・1.作業時間を短縮できる
・2.多方面の視点から情報が得られる
・3.操作が簡単で良き相談相手になり得る
ChatGPTが抱える4つの課題
・1.情報が正確ではない可能性がある
・2.専門性が高い質問への対応が難しい
・3.英語、非英語でサービスに偏りが生じやすい
・4.正解がない質問への対応が難しい
ChatGPTのメリット3つ
ChatGPTを利用するメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 作業時間を短縮できる
- 多角的な視点から情報が得られる
- 操作が簡単で良き相談相手になり得る
それぞれのメリットを解説します。
1.作業時間を短縮できる
ChatGPTは、マルチユース可能な汎用ツールです。従来であれば翻訳アプリや検索ツール、プログラミングサポートツールなどのように、作業にあわせてツールを使い分ける必要がありましたが、ChatGPTには多様な機能があるため、1つのツールで対応することが可能です。ツールを使い分ける手間が減りますので、これまでかかっていた作業の時間を大幅に短縮することができるでしょう。
2.多方面の視点から情報が得られる
ChatGPTでは、チャットに思ったままの文章を書くだけでAIからの回答が得られます。多方面の観点からの回答を期待できる点もメリットです。
また、アウトプットの方向性を意識して質問内容を絞ると、より精度の高い回答が得られます。ChatGPTの質問のコツをつかむと、よりレベルの高い文章の作成やコーディングなども実現できます。
3.操作が簡単で良き相談相手になり得る
ChatGPTのメリットとして、操作がシンプルな点が挙げられます。従来のスマートスピーカーのように、AIが理解しやすいような言い方で質問を考える必要がないため、人と対話しているかのように利用できます。つまり、良き相談相手としても、ChatGPTを活用することが可能なのです。
ChatGPTが抱える4つの課題
ChatGPTには、いくつかの課題もあります。ChatGPTを利用するうえで特に注意したい点としては、次の4つが挙げられます。
- 情報が正確ではない可能性がある
- 専門性が高い質問への対応が難しい
- 英語、非英語でサービスに偏りが生じやすい
- 正解がない質問への対応が難しい
近年はGPT-4がリリースされるなど、改善点も見られますが、それ以外の課題を具体的に説明します。
1.情報が正確ではない可能性がある
ChatGPTは、チャットで質問をすれば答えてはくれますが、回答の内容が必ずしも正確なものだとは限りません。
先ほどシミュレーションした、ティラミスを食べられるイタリアンレストランについての回答例を振り返ってみましょう。実は1位として挙げていた「ピエトロ・フェッローネ・ティラミス」という名前のレストランは存在しません。
このようにChatGPTはWebサイトを使ってそれらしい情報を収集し、それらしく回答してしまうことがあります。ChatGPTの回答は正確性に欠けるということを理解して利用する必要があるでしょう。
2.専門性が高い質問への対応が難しい
ChatGPTは、Webサイト上で公開されている一般的な情報から答えを導き出すAIチャットツールです。そのため、ごく少数の人だけが知っている専門的な知識についての答えを導き出すのは不得意なのだそうです。
たとえば、世界保健機関(WHO)が2022年2月に発効した国際疾病分類第11版「ICD-11」というものがあります。この「ICD-11」については、世界保健機関のWebサイトに英語版の資料が公開されており、日本語版は未公開となっています(2023年4月現在)。そこで「ICD-11」についてChatGPTに尋ねたところ、次のような回答が得られました。
上記のような回答が提示されましたが、「ICD-11」で疾患コードLDから始まる疾病は、実際のところ発達異常に関する分類で、アレルギー性疾患は該当しません。つまり、このChatGPTの回答はでたらめだということです。
ちなみにChatGPTは2021年9月までのデータしか学習できていないため、「ICD-11」のように2022年2月に公開された情報は関知していません。
ChatGPTでは、いかにも本当らしい答えが返ってきますが、間違っていることも多いのです。専門性の高い質問は、専門家や専門書などから情報を得るようにしましょう。
3.英語、非英語でサービスに偏りが生じやすい
ChatGPTが学習しているデータの多くは、英語や英文によるもののため、グローバル化されていない日本独自の文化や文献などの情報はまだ網羅されていない可能性があります。
先ほども紹介しましたが、日本語による受け答えよりも、日本語の英語翻訳のほうが短時間で出力される傾向も見て取れます。ChatGPTで日本語が使えないわけではありませんが、日本語における対応はまだ難しい一面があるかもしれません。
4.正解がない質問への対応が難しい
ChatGPTは、明確な正解がない質問への対応は不得意です。仮定や一般論を提示することはありますが、AIのためオリジナルの回答は期待できません。
ChatGPTに次のような質問をしてみました。
「家に帰りたい」=「疲れた」というニュアンスがChatGPTには伝わらなかったようです。この会話では、帰宅のための具体的な方法ばかりを紹介するため、「これではない感」が大いにあります。そこで、さらに抽象的な質問をChatGPTにぶつけてみました。
どのような質問にも真面目に答えてくれる点が、ChatGPTの良いところです。しかし、質問者が醸し出す「疲れた」状態や気持ちなどのニュアンスは伝わっていないようです。
ChatGPTは抽象的な質問が苦手です。ChatGPTを利用するときは、「疲れ」の理由を分解して、下記のように「疲労回復のためのストレッチ方法を知りたい!」などのように具体的な質問へ変換することをおすすめします。
このように具体的で有意義な回答を得ることができました。ChatGPTと会話する際は、ニュアンスではなく、具体的でストレートな内容の会話を心がけましょう。