岸壁際の足元を狙う
ここからは実際の釣りを例に挙げながら解説していこう。釣行したのは伊勢湾奥の四日市港だが、他の港湾部でも大きな違いはない。身近な場所でポイントを開拓してみるのもいいだろう。根魚の場合、一般的にはテトラや敷石などが狙いめとなる。でも、今回狙うのは足元の岸壁際。一見すると何もないように思えるが、実はこれが根魚の宝庫なのだ。
釣行日となった3月10日は、満潮時刻が午後7時50分。潮の高い時間帯を狙うため、7時半に到着して準備を整えた。最初のポイントは潮通しのいいふ頭の外向き。港湾部に多く見られる、矢板式と呼ばれる岸壁だ。打ち込まれた矢板と上部のコンクリートの境目に段差があり、その下に根魚が潜む。干潮時には矢板が水面上に露出する場所も多く、必然的に満潮前後の釣りとなる。
開始早々3種目
まずは安定のカサゴを狙って1gのジグヘッドを壁際にキャスト。カーブフォールで探っていく。カキ殻などの付着物を避けつつ、なるべく壁面ギリギリを狙うのがコツだ。
アタリがあれば即アワセ。同時にサオ先を沖に向け、魚を壁から引き離す。対応が遅れると段差の下に潜られて万時休すだ。足元の釣りだからといって極端に短いサオを使うと、ここで泣きを見る。
一発でヒットしたのは20cmほどのカサゴ、と思いきやタケノコメバルだ。ま、これはこれでOK。
続けて同様に探ると、20cm弱までのカサゴを数匹キャッチできた。
次はムラソイ。この魚も同じポイントだが、水面近くのカキ殻に潜んでいることが多い。ジグヘッドを軽くしてもいいが、ここはゆっくりリールを巻きながら浅い角度でフォールさせてみる。食欲旺盛なので、いれば一発。ちょっと小さいものの、早くも3種類がそろった。
防舷材の穴も絶好のポイント
ここで遊びがてら、岸壁に設置されたゴム製の防舷材の穴を狙う。中はカキ殻だらけ。サオを下げながら慎重に落とし込んでいくと、水面直下で食った。極小サイズだが、これもムラソイだ。このような構造物の下も好ポイント。狙う場合はカーブフォールではなく、その際を縦に落とし込んで探るといい。