釣り場紹介

今季もそうだったのだが、例年の三重県は2月の寒さが厳しいタイミングに南部で抱卵モノの大型が動く。全てがそうであるとはいえないが、その大半は「居着き」で前述した外洋から差し込んできたクロダイとは違う。

従ってくれば卵を抱えた大型。ときには60cmに迫る超大型も飛び出すが、数は望めずに単発での展開が多い。釣期も約1カ月といったところだ。南部でひとしきり動きがあって、その後今度は北部の鳥羽周辺から英虞湾にかけての釣り場がにぎやかになってくる。

このタイミングで釣れるようになるクロダイはヘラブナのそれに近いいわゆる乗っ込みで、先にも触れた通りメリハリは歴然。なかでも的矢湾は最もハッキリしており、早い年で3月上旬。例年のパターンなら中旬ごろから、5月のGWごろまで釣れ続く。

乗っ込みクロダイ(チヌ)カカリ釣り徹底解説 【タックル・エサ・釣り方・釣り場】イカダ&カセがカカリ釣りの舞台(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

すでに2月中旬、的矢湾口に最も近い安乗で好調な滑り出しだったが、クロダイの行動は順に畔蛸、千賀、そして湾奥の三ケ所、的矢へと進んでいくようだ。もしかしたら最奥部の伊雑ノ浦(いぞうのうら)辺りが絶好の産卵場になっているのかも知れない。

鳥羽の浦村湾も的矢湾ほどではないが、やはりほぼ同時期に乗っ込みモノがあちらこちらで釣れ始める。

浦村湾は形状が複雑に形成されていてポイントも広大。釣れだしたからといって、全てのポイントで満遍なく釣れるという訳ではないが、うまく当たれば簡単にクロダイを手中にできる。英虞湾も同様だが、最も湾口に位置する志摩半島の御座から浜島、順を追って湾奥の大崎や鵜方へとクロダイは差し込んでいく。

乗っ込み期の魅力

乗っ込み期の最大の魅力は、なんといっても良型が数狙えるところだろう。厳寒期や梅雨期のような特別大物は難しいだろうが、とにかく型ぞろいが大した苦もなく数が出る。だがあらかじめご了承いただきたいが、全てのポイントではなく、群れで移動する回遊コースに当たればの話。

乗っ込みクロダイ(チヌ)カカリ釣り徹底解説 【タックル・エサ・釣り方・釣り場】カカリ釣りでクロダイキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

もし回遊コースから外れてしまうと一筋縄ではいかず、むしろ何をやってもお手上げ状態も珍しくないのがこの時季。ダンゴブレンドやさしエサ、そして攻め方もさることながら、最重要であるのは「当日のポイント運」であることも忘れてはならない。

ダンゴ

ダンゴの量はこれまでの厳寒期同様、インターバルが長めがいいので、あまり多くはいらない。一日の量として10~15kgを目安に、2種類か3種類の配合エサをブレンドするのがいい。

乗っ込みクロダイ(チヌ)カカリ釣り徹底解説 【タックル・エサ・釣り方・釣り場】激荒(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)

またダンゴは海水で仕上げるよりも、オキアミやアミエビだけで作るのが断然集魚効果が高い。いきなりクロダイを寄せてと考えるのではなく、クロダイに刺激を与えてくれるエサ取りを寄せることを目的としたダンゴ作りを優先しよう。

あらかじめ解凍した生オキアミ(アミエビミックスなど)2~3kgを全体に十分ナジませ、水分が足りないようなら打ち水で微調整してやる。

筆者の鉄板ブレンド

マルキユーパワーダンゴ1袋(6kg)、大チヌSPハイパー1袋、速戦爆寄せダンゴ1袋×生オキアミ3kg+海水。

乗っ込みクロダイ(チヌ)カカリ釣り徹底解説 【タックル・エサ・釣り方・釣り場】 山本太郎の鉄板ブレンド(提供:週刊つりニュース中部版 山本太郎)