- 企業の金融資産・負債残高の特徴
今回はG7各国の企業の金融資産・負債残高について比較してみました。
日本の企業は1990年代に、負債のうち貸出が極端に多かったのですが、2021年にはやや目減りしていて他国並みに落ち着いています。
バブル期に極端に投資が先行し、1997年以降事業活動の停滞と並行して調整が進んだように見えます。
2021年の対GDP比で見れば、GDPに対して貸出がまだ大きい水準ですので、設備水準で十分な付加価値を稼げていない事も示しているのかもしれませんね。
かつては設備投資先行で成長したけれども、設備依存の仕事ばかりでうまく付加価値を稼げる事業を確立できていないという状況を表しているようにも見えます。
日本企業は、当期純利益は増えていますが、売上高、付加価値、生産性、人件費が横ばいを続けている事と符合するように思います。(参考記事: 日本企業の「変質」)
アメリカ、カナダは負債のうち株式等が大きく増えています。株式を軸とした企業の成長が窺えますね。
実際には株式は時価評価となりますので、株価の値上がりによる影響と、株式発行による増加が組み合わさっているものと考えられます。
ドイツは比較的負債が少ない国ですが、フランスは金融資産も負債も非常に規模が大きい特徴があります。
各国の企業の特徴が見られてとても興味深いですね。
皆さんはどのように考えますか?
編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2023年4月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。