1. 1997年の比較

    日本の経済がピークだった1997年の状況も比較してみましょう。

    図2 金融資産・負債残高 1人あたり 企業 1997年OECD統計データ より

    図2が1997年の企業の金融資産・負債残高のグラフです。

    日本は最も規模が大きく、特に負債ではアメリカを凌いでいます。

    中身を見ると、貸出(借入金)が圧倒的に多く、アメリカの4倍近く、他国の2~3倍の水準に達していたようです。

    フランスはこの頃から負債のわりに金融資産を多く保有していたようですね。フランスの企業運営の特徴が見えて興味深いです。

    当時の日本企業は、負債を多く抱えている分、固定資産の水準も高かったようです。

    バブル期に過剰な負債と設備を抱え、先行して給与水準や生産性が高まった反面、その後の長い停滞に繋がった大きな要因にもなったのではないでしょうか。(参考記事: 企業の「固定資産」と経済成長)

    企業 純金融負債 1人あたり 1997年→2021年 51,002 → 50,929 日本 59,597 → 238,409 アメリカ 15,822 → 31,679 ドイツ 43,721 → 76,709 イギリス 18,259 → 48,085 フランス 33,075 → 103,613 カナダ 16,633 → 42,722 イタリア