中学生のうちに読んでおきたい小説8冊

中学生のうちに読んでおきたい小説を8冊紹介します。どれも面白くスラスラ読めて、考え方や心の持ちようが変わるような名作です。

青空の向こう

『青空の向こう』は不慮の事故でこの世に想いを残したまま死んだ少年がゴーストとなり、家族や友人に想いを伝えようとする物語です。

死別を描く物語ですが全体を通して明るい雰囲気で、楽しく読み進められるでしょう。それでいて、いつまでも心に残り、ときどき読み返したくなる一冊です。当たり前に感じている幸せの大切さを伝えてくれる、前向きになれる作品です。

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西の魔女が死んだ

『西の魔女が死んだ』は学校に行かなくなった少女が、祖母との関わりを通して自分なりの生き方を探していく物語です。主人公のまいはおばあちゃんの「魔女修行」から、何事も自分で決めることの大切さを学びます。

心があたたかくなり、生きる強さがわいてくる一冊です。

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小説 天気の子

『小説 天気の子』は深海誠監督の映画『天気の子』を、深海誠自らの手で小説化した作品です。映画では描かれなかった脇役たちの心情や背景などを丁寧に描き出しているので、映画を観るのももっと楽しくなるでしょう。

特に、あとがきと解説は一読の価値ありです。あとがきを読んでから映画のラストシーンをもう一度観ると、グッとくること間違いありません。

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インストール

『インストール』は、学校生活から脱落することを決めた高校生の朝子と、クールな小学生かずよしの不思議な関係を描いた作品です。2人は押入れのコンピュータから「オトナの世界」を覗き込みます。

『蹴りたい背中』で有名な綿矢りさの作品で、本書の方が読みやすいという人も多いです。スラスラ読める文体と、少し不思議な世界観にどっぷりと浸れる、綿矢りささんの人気作です。

真四角で分厚いパソコン、「落ちる」をはじめとするネットスラングなど、親世代も懐かしさに浸りながら楽しめるでしょう。親子で回し読みするのも楽しいかもしれません。

>>インストール

暗いところで待ち合わせ

『暗いところで待ち合わせ』は、駅のホームで起きた殺人事件をきっかけに出会った二人の、奇妙な同棲生活を描く作品です。

物語は二人の視点を交互に切り替えながら進んでいきます。視点が変わることによる転換点、後半での怒涛の伏線回収など、一気読みしてしまう一冊です。全体を通してシリアス調ですが、心優しい登場人物が読者を穏やかな気持ちにさせてくれるでしょう。

>>暗いところで待ち合わせ

星の王子さま

『星の王子さま』はフランス文学の金字塔で、70年を超えて世界中で読まれてきた作品です。砂漠に飛行機で不時着した「僕」と、そこで出会った「王子さま」の交流を描きます。

作品の根底にあるのは「いちばんたいせつなことは、目に見えない」ということ。優しい語り口ときれいな挿絵が、あたたかい気持ちにさせてくれる一冊です。

>>星の王子さま

クラバート

『クラバート』はドイツの古い伝説を下地にして書かれた、ファンタジーの大作です。主人公のクラバートは11人の魔法使いとその親方が集う水車馬で働きながら、親方から魔法を習っていきます。

クラバートは3年間の修行を通じて、自分の意志を持つことや愛の大切さを学んでいきます。

宮崎駿監督が『千と千尋の神隠し』の下地にした作品としても知られる、大人になる前に読んでおきたい一冊です。

>>クラバート

アルジャーノンに花束を〔新版〕

『アルジャーノンに花束を〔新版〕』は、世界各国で映画化された作品です。日本でも、何度も映画化・ドラマ化されました。

32歳になる主人公は幼児並みの知能しかなく、彼を馬鹿にする人も多くいました。そんな彼のもとに、「大学の先生が頭を良くしてくれる」という話が舞い込みます。彼は日々すさまじい勢いで知能を高めていきますが、その代償として彼の美徳を失くしていきます。

人としての在り方や心のもち方、自分にとっての幸福などを見つめなおす、何度も読み返したくなる一冊です。この新版は訳がわかりやすく、物語に没頭できるとして評判です。

>>アルジャーノンに花束を〔新版〕

ちなみに、映画版はこちらのフランス版がおすすめ。人により好みはわかれるかもしれませんが、フランス映画ならではの芸術作品らしい映像と空気感がたまりません。物語が淡々と進むので、没入感も抜群です。

>>アルジャーノンに花束を [DVD]