中学生のうちに読んでおきたい教養の本8冊
中学生のうちに読んでおきたい教養の本を8冊紹介します。心を豊かにしてくれる本や、考え方を深めてくれる本を厳選しました。大人になる前に知っておくべきことが、これらの本には詰まっています。
アンネの日記
『アンネの日記』は裕福なドイツ系ユダヤ人の家庭に生まれながら、ナチスの迫害により15歳で亡くなったアンネ・フランクの日記です。ユネスコ世界記憶遺産に登録される世界的・歴史的な遺産ではありますが、ひとつの文学作品として純粋に楽しめるでしょう。
本書の「どんな不幸のなかにも美しいものが残っている。美しいもののことを考えれば、しあわせになれる」というくだりは特に胸を打ちます。中学生のうちに読み、心の中にずっとしまっておきたい言葉です。
>>アンネの日記
1リットルの涙難病と闘い続ける少女亜也の日記
『1リットルの涙難病と闘い続ける少女亜也の日記』は難病と闘い、最期まで懸命に生きた少女の日記です。親世代ではテレビドラマや、その主題歌の『粉雪(レミオレメン)』が心に残っている人も多いでしょう。
本書を読んで健康のありがたさ、自分なりに一所懸命に生きることの大切さが身に染みたという人は多いです。Amazonの上位レビューには著者の木藤亜也さんと同じ病名で入院し、本書を支えに病気と闘った方のレビューがあります。本書と併せてぜひお読みください。
>>1リットルの涙難病と闘い続ける少女亜也の日記
いのちのハードル―「1リットルの涙」母の手記
『いのちのハードル―「1リットルの涙」母の手記』は、先述の『1リットルの涙』の木藤亜也さんの母の手記を書籍化したものです。親の目線から亜也さんのことを記録に残し、自らの心の動きも赤裸々に綴っています。
テレビドラマ版を観ていた人の中には、今や親になっている人も多いでしょう。親子で読んでみるのもいいかもしれません。1リットルの涙と併せて読みたい一冊です。
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“It(それ)”と呼ばれた子
『“It(それ)”と呼ばれた子』は虐待の様子を赤裸々に綴った、事実に基づいた記録です。著者はガスコンロで焼かれる、塩酸入り洗剤で掃除をさせられる、赤ん坊の汚物を食べさせられるといった、想像を絶する虐待の中で生き抜いてきました。
虐待とは何かを知っておくことは、親や将来親になるかもしれない人にとっての責任かもしれません。実際の虐待の様子を知ることで、「今まで気付かなかったけど、これも虐待なのか」と気付くこともあるでしょう。たとえば、相手のことを「It(それ、あれ)」と呼ぶこともそうです。
日本は虐待やDVに対する認識が甘い国です。読むのが多少辛いかもしれませんが、少しでも早くこのような本を読み、心の片隅に置いておくことをおすすめします。
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自閉症の僕が跳びはねる理由
『自閉症の僕が跳びはねる理由』は自閉症の著者自らが「どうして目を見て話さないのですか?」「手のひらをひらひらさせるのはなぜですか?」といった50以上の質問に答えた本です。
理解されづらい、あるいは理解してもらえない行動の理由が、わかりやすい言葉で明確に綴られています。自閉症の方が周りにいない方でも、他者を理解することの難しさや大切さを知るために読んでおきたい一冊です。
>>自閉症の僕が跳びはねる理由
何のために「学ぶ」のか:〈中学生からの大学講義〉
『何のために「学ぶ」のか:〈中学生からの大学講義〉』はタイトルの通り、「何のために学ぶのか?」という問いに、7人の学びの達人が答える本です。
彼らの答えからは、「大切なのは知識ではなく、正解のない問いに直面したときに考え続けるための知恵である」ということがわかるでしょう。
勉強が楽しくなるための考え方、どうしたら努力できるようになるのかといったことも教えてくれます。
>>何のために「学ぶ」のか:〈中学生からの大学講義〉
13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海
『13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海』は地政学を通して、歴史問題の本質やニュースの裏側、国同士のかけひきなどが学べる本です。地政学とは、地理的条件を軸に国際政治や外交などを分析・考察する学問です。
本書は高校生・中学生の兄妹と年齢不詳の男「カイゾク」との会話を通して、ストーリー形式ですすんでいきます。「なぜドルは世界中で使われるのか」「なぜ過去のことが蒸し返されるのか」など、現実の歴史や国際問題を例にわかりやすく学べるでしょう。
>>13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海
なつかしい時間
『なつかしい時間』は、詩人である長田弘さんの視点や考え方が綴られた本です。長田弘さんは自然の美しさや人の心に焦点をあてた詩や随筆を書き続けた有名作家です。
本書からは著者のあたたかな人生観、丁寧な生き方が見えてきます。モノと情報が溢れ、常に時間に追われる現代人が見失っているものを教えてくれる一冊です。
>>なつかしい時間