購入計画の先送りも勇気ある決断に

 このローン延滞、決してあり得ない話ではありません。金融庁の調査によると、2023年初頭でも、全国の銀行には月間1000件以上の住宅ローンの条件変更の相談が行われています。新型コロナウイルス感染症拡大が始まった当初には、月間数千件に達していましたから、それに比べれば減ってはいるのですが、このところはほとんど横ばいが続き、月によっては前月より増加することもあります。2023年の賃上げは例年以上のレベルにはなりそうですが、それ以上に諸物価の高騰が続いており、家計の負担感がいっそう重くなっています。家計が苦しくなっても、住宅ローンの返済は待ってくれませんから、徹底した家計管理が求められます。

 すでに、マンションを買ってしまった人は、節約にこころがけて住宅ローンの返済が発生しないようにしなければなりませんし、これから購入を考えている人は、決して無理をせずに、2割以上の自己資金を用意し、返済に無理がないように返済負担率をできるだけ低くして、より安全・安心の資金計画で買えるようにしていただきたいものです。場合により、いったんは購入を見送り、自己資金や年収が増えるのを待つというのも勇気ある決断かもしれません。

(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)

提供元・Business Journal

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