1. 対GDP比での比較

    続いて対GDP比についても比較してみましょう。

    図3-1 金融資産・負債残高 対GDP比 家計 2021年OECD統計データ より

    図3-2 金融資産・負債残高 対GDP比 家計 1997年OECD統計データ より

    図3が家計の金融資産・負債残高 対GDP比のグラフです。2021年(上)と1997年(下)です。

    1人あたりのドル換算値が単純に金額を比較するのに対して、対GDP比はフローであるGDPに対するストックの水準を知ることができます。

    1人あたりの数値とは意味合いが異なりますので注意が必要ですね。

    各国とも1997年の水準に対して、2021年では数値が大きくなっています。

    フローに対してストックの規模が大きくなっている状況ですね。

    ドイツだけ負債の水準が低下しているのが興味深いです。

    日本は対GDP比で3倍近くの純金融資産を家計が保有していることになります。

    また、1997年の数値を見ると、1人あたりと比べて日本の存在感が突出してなく、イギリスやカナダとそん色ないレベルという事がわかります。

    当時の日本のGDPがそれだけ相対的に大きかった事を窺わせます。

    また、ドイツ、フランスとアメリカ、カナダ、イギリスで水準に大きな開きがありますね。

    この2つのグループは様々な面で対照的な傾向ですが、家計の金融資産でも確認できます。

    家計 純金融資産 対GDP比 1997年→2021年 単位:% 192 → 307 日本 261 → 427 アメリカ 85 → 160 ドイツ 197 → 256 イギリス 128 → 187 フランス 185 → 274 カナダ 180 → 239 イタリア