大学生のうちに読んでおきたい、4冊の哲学書
大学生のうちに読んでおきたい哲学書を4冊紹介します。最近書かれた本と、古代から読み継がれ現代でも役立つ内容の本を2冊ずつ紹介するので、「哲学書なんて読んだことがない」「哲学って何の役にも立たないんでしょ?」という方も読みやすいでしょう。
勉強の哲学 来たるべきバカのために
『勉強の哲学 来たるべきバカのために』は、「勉強とはかつての自分を失うことである」「勉強するほどノリが悪く周囲から浮いた人間になる」というショッキングな書き出しで始まる本です。
このショッキングな過程を通してこそ、人は今までの自分や圧力から解放され、新しい自分へと変身していけます。
特に日本においては同調圧力やノリなどが未だに重視され、息苦しさを感じている人も多いでしょう。社会に出れば、この苦しさは強まるかもしれません。そうなる前に、大学生のうちに「勉強による自己破壊」を始めておきましょう。
>>勉強の哲学 来たるべきバカのために
「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版
『「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版』は「人は必ず死ぬ」という当たり前の前提を受け入れ、そのうえでどう生きるべきかを考える本です。
人は必ず死にますが、それを意識して暮らしたり、人生設計したりできている人は多くありません。宗教を一切排し、哲学的に死について語ることに終始した本書を読むことで、まずは「自分はいつか死ぬんだ」「それまでにどう生きればいいのか」という考えを心に根付かせられるでしょう。
なお、本書では「魂などはなく、死は一環の終わりである」という前提に立って死を考えています。しかし、これとは異なる死生観をもつ人でも、本書は「生きている間に何をするか、どう在るか」を考えるうえで役立ちます。
>>「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版
ただ、この完全翻訳版では「死が一貫の終わりであること」を全体の半分ほどを使って論じています。「自らの死生観が変わってしまうのではないか」と不安な方には、この部分を省いた縮約版がおすすめです。
>>「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 日本縮約版
生の短さについて 他2篇
『生の短さについて 他2篇』は「生は浪費すれば短いが、活用すれば十分に長い」と説く哲学書です。紀元前に生まれた哲学者・セネカの著書のため多少読みづらい部分はありますが、本書で語られる本質は、現代社会にも通じる部分がほとんどです。
やることが多すぎて時間が足りない、学校やアルバイト先での人間関係にわずらわしさを感じている大学生には、心に響く内容でしょう。
生の短さについてのほかにも、欲望に惑わされずに心静かに生きる術を論じた「心の平静について」と、徳を深めながら快楽をも得る生き方を教える「幸福な生について」も収録されています。
どれも物と情報が溢れ、時間に追い立てられるような現代社会でこそ、真価を発揮する内容です。
>>生の短さについて 他2篇
パイドロス
『パイドロス』は最も有名な哲学者といっても過言ではないソクラテスの語りをまとめた本です。ちなみに、ソクラテス自身は著書を遺しておらず、彼の哲学は弟子のプラトンの著書から学べます。
パイドロスは恋愛や弁論の本質について語る哲学書です。本編はソクラテスとパイドロスという青年の対話により進み、より良い関係を築くにはどうすればいいのか、より良く生きるためにはどうあればいいのかをわかりやすく教えてくれます。
>>パイドロス