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園林堂の灯篭から見る、額縁の絵のような景色
第三の茶亭「笑意軒」
園林堂の灯篭から見る、額縁の絵のような景色
次に訪れたのは園林堂(おんりんどう)。本瓦葺宝造り屋根の持仏堂です。今は内部には何も安置されておらず、唐破風の美しい建物だけが残っています。扁額は後水尾上皇の宸筆です。
この園林堂でもう1つ注目したいのは正面入口の前に立つ石灯篭。ガイドさんが「この石灯籠の灯火が入る部分から外を眺めると、額縁の絵のようになりますよ」と教えてくれました。
覗いてみたら、確かに!池に架かる土橋と対岸の木々がまるで絵のようです。額縁付きの景色を撮影しようと参観客はスマホやカメラを持って大賑わいでした。ここを訪れたらぜひ試してみてください。
第三の茶亭「笑意軒」
桂離宮のほぼ南端にある笑意軒(しょういけん)は第三の茶亭。直線的な池の対岸から見る田舎家風の姿が印象的です。笑意軒から池へ出る斜面の下は船着場になっています。
笑意軒の対岸に立つ雪見灯篭は特に姿が良いものとして有名だそうです。筆者が訪れたのは12月でしたが、雪見灯篭のかたわらには紅葉も残っていてどちらも池の向こうの笑意軒を彩る良いアクセントになっていました。
建物の前に立つと「笑意軒」の扁額の下に並ぶ6つの丸窓が印象的。屋内の装飾も意匠が凝らしてあり、「口の間」の杉戸の引き手は「矢」の形になっています。
口の間から続く「二の間」の襖の引き手は「櫂」の形。袋棚の小襖には「波」の模様があしらわれています。これらは笑意軒の斜面の下の入り江状の池が船溜まりであったことを象徴しているようです。
この優美な回遊式庭園での舟遊びはどんなに風情があったでしょうね。桂離宮は最古の回遊式庭園として知られています。