不動産投資に向いている人
不動産投資に向いている人の特徴を見ていこう。
年収と勤務先が安定している人
不動産投資をする人の多くは、投資用のローンを組むだろう。
不動産の金額は大きく、投資用のローンを組むためには安定した年収と勤務先であることが不可欠といえるだろう。
ローンを組む直近だけの年収が高くてもローンの審査に落ちる可能性が高いため、注意が必要だ。
決断力がある人
不動産の売買はタイミングが命と思ってよいだろう。
常に良質な物件が出回っているわけではないため、自分の希望条件に合致した不動産が出てきたときに購入への決断力が必要だ。
決断を先延ばしにする人は、不動産投資には向かないだろう。
不動産投資に向いていない人
不動産投資に向いていない人の特徴も見ていこう。
不動産投資について勉強する時間がない人
不動産の最低限の知識を勉強する時間がない人は、不動産投資には向いていないだろう。
不動産のプロである不動産会社に管理を任せられるが、その管理や経営の仕方が正しいのかどうかを判断する必要がある。
不動産会社に何かをお願いするにも、知識が必要であることはいうまでもないだろう。
短期的な目線で利益を得ようとする人
短期的に不動産の価格が急上昇するケースは少ないため、短期的な目線で利益を得ようとする人は不動産投資には向いていない。
再開発エリアなどで値段が高騰する可能性は0ではないが、急上昇することは非常に少ない。
長期目線で不動産を経営していく気持ちがない人には、不動産投資は難しいだろう。
リスクを負いたくないと考えている人
不動産投資には空室や価格下落、金利上昇などのリスクがある。
このようなリスクを負いたくない人は、不動産投資に限らず投資は難しいだろう。
いい業者・悪い業者の見分け方
業者の見分け方を見ていこう。
物件調査がしっかりしている
不動産投資は、基本的には長期的な目線で収益を見込める物件を購入する必要がある。
どのエリアのどのような物件が資産価値を維持できているのか、満室を維持できているのかなどを綿密に調査する業者に依頼するのがよいだろう。
細かい収支シミュレーションをしてくれる
不動産投資を税金対策で行う人もいるが、多くの人は収益目的で始めるだろう。
表面上の収益だけではなく、10年後や15年後に発生する メンテンナンスや修繕の費用まで含めて細かくシミュレーションをすることが大切だ。
常に満室を維持できるわけではないため、エリアの特性に合わせて「築○○年のときに○○ヵ月空室になることを想定」など、空室率や家賃下落率を想定した収支シミュレーションをする業者に依頼すると安心できるだろう。
顧客に合わせた物件を紹介してくれる
優良物件を提示してくれることは大前提として大事だが、顧客に合わせた物件を紹介してくれるかどうかも重要なポイントだ。
不動産のプロから見たら優良な物件でも、顧客によっては手が出ない価格帯の場合もある。
顧客に寄り添って希望条件や不動産購入の背景を考慮したうえで、物件を提案する業者を選ぶとよいだろう。
リスクと想定利回り
不動産投資におけるリスクと想定利回りを見ていこう。
空室のリスク
まずは空室リスクだ。
不動産投資は賃貸物件を経営することになるため、入居者がいなければ収入は発生しない。
エリアの需要と供給のバランスや物件の価格、家賃帯を把握しておく必要がある。
空室リスクを軽減するためには、需要が高い物件を購入する、サブリース契約にする、競合物件にない強みのある物件にするなどが挙げられる。
空室以外にも、家賃の滞納が発生しないように保証会社を利用することも大切だ。
家賃下落のリスク
次に家賃下落のリスクだ。
新築の物件と築20年の物件で同じ家賃で設定できないことは、容易に想像できるだろう。
つまり、築年数が経過するにつれて入ってくる収入が減ることになる。
家賃の下落率は20年で約20 %を想定しておくとよいだろう。
つまり、新築時に10万円の家賃を設定していた物件が築20年になれば8万円ということになる。
想定利回りはいくらになる?
想定利回りとは、年間に発生する賃料収入の合計が物件価格の何%になるかを示したものだ。
想定利回りは「年間賃料収入の合計÷物件価格」で算出される。
例えば、3,000万円の物件で年間賃料収入の合計が150万円だった場合は、想定利回りは5%ということになる。
しかし、利回りには「表面利回り」や「実質利回り」などの種類もあり、想定利回りはあくまで「満室想定時」の利回りである。
空室時には利回りが低下することになるため、不動産会社に提示される利回りがどの利回りに該当するのかを確認することが大切だ。
不動産会社にだまされない ために正しい知識を身に付けよう
不動産投資にはさまざまな リスクがつきものであるため、不動産会社から「リスク0で」といわれても信じないようにしよう。
不動産会社にいわれたことをうのみ にして劣悪物件を買わされないためにも、不動産について正しい知識を身に付けよう。
文・高槻翔太
不動産、金融ライター。日本大学卒業後、不動産・建設の土地有効活用のコンサルティング営業を6年、人材業界の法人営業を半年間経験し現職。FPや顧客の資産運用の経験をもとに、不動産や金融メディアで執筆を行っている。得意分野は不動産、不動産にかかわる税務、金融。
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