元ハリウッド俳優ブルース・ウィリス が60代の若さで認知症を患っている、と公表されたのも記憶に新しいところ。われわれ も「認知症なんて遠い先の話」と思っていたら、いつの間にか当事者に……という事態になっているかもしれない。そうなったときに家族に迷惑をかけないために、また、最後まで「自分らしく」いられるために、事前にしておくべきことを紹介する。

認知症でよくあるトラブル

認知症が原因で、警察沙汰になったりご近所といさかいを起こしたりする例もある 。まずは、認知症でよくあるトラブルの実例をいくつか紹介しよう 。

徘徊から行方不明に

認知症特有の行動の1つが「徘徊」だ。警察に届け出のある認知症の行方不明者は、増加している。意識障害や認知機能障害により、今何時なのか、自分がどこにいるのか見当がつかなくなる、理由もなく歩き出してしまう……など、徘徊の原因はさまざまだ 。

ごみ が出せなくなり、自宅がごみ屋敷に

認知症になると理解力や判断力が障害を受けるため、ごみを出す日を忘れてしまったり、ごみの分別ができなくなったりしてしまう。その結果、ごみが急速に た まってしまい、自宅がごみ屋敷と化してしまうことも。ごみ屋敷になると、悪臭や害虫の発生、また火災の危険性が高まってしまうなど、ご近所にも影響を及ぼしてしまう。ご近所トラブルに発展してしまうこともある 。

買い物時にお金を持たずお店に行き万引 トラブルに

買い物時にもトラブルは起こりやすい。支払いのときに小銭がうまく出せない、計算ができないなどで時間がかかり、ほかのお客を待たせてしまったり、お金を払わずに店を出て、万引扱いされてしまったりすることもある。いくら認知症とはいえ、警察沙汰になってしまう可能性もあるだろう。

認知症になる前に……しておくべきこと

認知症によるさまざまなトラブルを避ける対策の1つが、「事前に準備しておく」ことだ。判断力が低下してしまう前に、もしもの場合に備えておけば安心だ。ここでは、認知症になる前にしておくべきことを3つ紹介する 。

生活や介護の希望を家族に明確に伝えておく

認知症が進んだ場合、グループホームや老人ホームなど、認知症に対応する施設への入居が必要となるだろう。そのときに「どのような場所に入居したいか」「どのような介護を希望するか」を伝えておこう。なんの意思表示もしておかないと、自分の本意ではない介護をされることもある。症状が進行すればするほど、自分の意思を言葉にするのが難しくなるだろう。健康なうちに、「認知症になってからのライフプラン」を立てておくことが大切だ。介護方針が明確になるだけでも、家族の負担はより一層 楽になるだろう。

生活費や治療費の準備をしておく

万が一の事態はある日突然やってくる。そのときのために資金面の準備もしておくことが必要だ。毎日の生活にかかる資金、介護や通院治療に必要な資金、施設に入居するための資金を蓄えておこう。 家族が困らないように、預金通帳の口座や土地、有価証券などの資産を目録に残しておくことも忘れないこと。将来の生活のためだけでなく、相続のためにも必要不可欠な情報だ 。

大切な人へのメッセージを残しておく

家族や友人など、大切な人へのメッセージも残しておこう。遺言や手紙として残しておくのもいいが、「ビデオレター」という形で、動画におさめておいてはいかがだろうか。まだ、元気なころの姿で直接伝えられるメッセージは、家族にとって何よりの宝物になるだろう。今は、さまざまな「エンディングノート」も売られている。どのようなものがあるのか、一度チェックしてみるのもおすすめだ。

後悔しない人生を送るために

「認知症なんて、まだまだ他人事」と思っていると、あっという間にそのときが来てしまうかもしれない。認知症は発症してからあれこれ対策を練っても、すでに遅かったという事態もある。そうなる前に万全の対策を取っておこう。最後に「もっとああしたかった」「こうればよかった」と後悔しないためにも、今からできることをしておきたいものだ。

文・山田千景

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