目次
7. 生きていく上で大切なものを実感する時
8. 夢心地に漂いながら、日常生活に感謝を想う
7. 生きていく上で大切なものを実感する時
そばで見ていて感じたのは、銀鏡神楽は飾り立てることのない素朴な神楽で、生活の延長線上にあるものだということ。神楽ショーではなく、日々の感謝の想いが込められた舞なのだということでした。
映画でも描かれていた通り、神楽に関わる時間は村人たちにとって無くてはならないもので、ここでの生き方が反映されたものとなっているようです。そんな中には、山村留学で来ているこども達の存在もありました。
こども達が舞う時、内神屋(うちこうや)では大人たちがその姿をジッと見つめていました。神楽ばやしの奏者からは、舞っているこどもたちをサポートするべく指示している声が時折聞こえてきます。
ここでは神楽をどう完璧にやるか、美しくやり終えるかということよりも、皆んなで力を合わせていかに銀鏡神楽を作り上げていくか、という時間そのものを大切にしているのだと感じました。
8. 夢心地に漂いながら、日常生活に感謝を想う
いよいよ終わりの時間が近づいてきました。いざ神楽の世界に飛び込んでみると、祭囃子と舞の空間の揺らぎが居心地よくて何だか離れ難くも思えてきます。この神楽を通して村人たちの大切な場所、銀鏡という世界にスッポリと招き入れてもらえたからこそ余計にそう感じられるのでしょうね。
いつまでもここに漂っていたいような心をこちらへ引き戻しつつ、どこか夢心地のままにゆっくりと神楽の終わりを迎えていきます。
その場に行って、初めて知り得る感覚があります。丸一晩をその場で共に過ごすことで出会うことができる、銀鏡神楽のめくるめく世界。たどり着くまでには時間もかかる辺境の地ですが、そこには簡単には見つからない宝物のような時間がありました。
旅をしながら、その土地の生活の一部に触れることができるなんて素敵ですよね。皆さんもぜひ一度ここに訪れて、銀鏡に流れる暖かな時間に触れてみてはいかがでしょうか。
動画でもご覧ください。
銀鏡(しろみ)神楽
- 住所:宮崎県西都市銀鏡492 銀鏡神社
- 開催日時:12月14日の夕方から15日の朝(銀鏡神社大祭は12月12日~16日、式一番「星神楽」は13日の夕方頃)
文・写真・Hinata Yoshioka/提供元・たびこふれ
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