目次
3. 「星神楽」は、なぜ宇宙を感じさせるのか?
4. 神様たちがお面に降臨する「降居神楽(おりいかぐら)」

3. 「星神楽」は、なぜ宇宙を感じさせるのか?

銀鏡神楽には、他の地域の神楽にはない特別な舞いがあります。全部で33番ある舞いを丸一晩かけて舞うのですが、銀鏡神楽では前日の夕刻に1番だけ奉納する「星神楽」という舞いがあります。映画「銀鏡 -SIROMI-」では、その星の神楽の存在が重要なポイントとして描かれていました。

「神様が鏡を投げ入れた村」で夜神楽! その神秘の裏側にみた世界
(画像=『たびこふれ』より引用)

そんな「星神楽」が、内神屋(うちこうや)と呼ばれる神聖な場所で始まりました。宮司さんが神様に祝詞をあげると、ゆっくりと舞が始まります。

男性が二人で舞う内のひとりは手に「一反の白い木綿布」を持ち、もうひとりは「星の餅(一重ねの餅を半紙で包み榊の枝に取り付けたもの)」を持って舞います。この二つは舞の後すぐに内神屋天井のそれぞれの場所に飾られました。

「神様が鏡を投げ入れた村」で夜神楽! その神秘の裏側にみた世界
(画像=『たびこふれ』より引用)

この舞は、銀鏡神楽の中に北極星を中心とした「星信仰」があるということを物語っていて、二十八宿(月がおよそ28日をかけて星々を一晩づつ巡る)が天井にイメージされたその「星飾り」の下で舞う、とても意味深い神楽なのだそう。宇宙的とも言える、あまりのスケールの大きな世界観に圧倒されてしまいます。

「神様が鏡を投げ入れた村」で夜神楽! その神秘の裏側にみた世界
(画像=<星飾りの榊の穂先は北を向き、布は東の端に飾られるようになっている>、『たびこふれ』より引用)

4. 神様たちがお面に降臨する「降居神楽(おりいかぐら)」

次の日の夕方。そわそわしながら宿の玄関で待っていると、徐々に遠くの方から笛と螺貝の音が聞こえてきました。各集落の神社から神様のお面(面さま)が到着したようです。

お面は大切に箱に入れられ社家の当主が背中に背負って運んで来られました。橋のたもとで5柱の神様(面さま)は合流し、一緒に銀鏡神社への道のりを歩いて向かいます。

「神様が鏡を投げ入れた村」で夜神楽! その神秘の裏側にみた世界
(画像=『たびこふれ』より引用)

今日はこのお面をつけて舞う「降居神楽(おりいかぐら)」があるのですが、その時にはお面に神様が降臨して舞うのだといいます。勇壮な神々の舞。そんな神様たちをお迎えする所から、舞われてからそれぞれの神社へお帰りになる所までの全てを、この祭りでは共に見届けることができます。

「神様が鏡を投げ入れた村」で夜神楽! その神秘の裏側にみた世界
(画像=『たびこふれ』より引用)