1. 家計の金融資産・負債残高:アメリカ

    続いてアメリカの家計について眺めてみましょう。

    図2 金融資産・負債残高 家計 アメリカOECD統計データ より

    図2がアメリカの家計の金融資産・負債残高のグラフです。

    図1の日本のグラフと比べると大きく傾向が異なります。

    純金融資産の増加傾向が大きいのが目につきます。そして、圧倒的に現金・預金が少なく、株式等の比率が大きいですね。年金・保険の割合も比較的大きいようです。

    負債を見ると2008年から停滞が続いていましたが、2013年頃からまた増加傾向になっています。

    2021年の金融資産に対する各項目の割合は次の通りです。

    アメリカ 家計 対金融資産比 2021年 単位:% 現金・預金: 13.2 株 式 等: 53.1 年金・保険: 29.8 負   債: 15.6

    金融資産の中で現金・預金の占める割合は13.2%、一方で株式等の占める割合は53.1%にもなります。ちょうど日本と真逆に近い比率ですね。

    アメリカは家計が積極的に株式投資をしている国という特徴がありそうです。

    当然合計値ですので、全ての国民の資産が多いというわけではなく、限られた富裕層の占める割合が大きいという事も留意が必要ですね。

  2. 家計の金融資産・負債残高:ドイツ

    続いてドイツの家計について見てみましょう。

    図3 金融資産・負債残高 家計 ドイツOECD統計データ より

    図3がドイツの家計の金融資産・負債のグラフです。

    現金・預金と年金・保険が同じくらいの水準で推移しているのが印象的ですね。株式等もリーマンショックで一時減少していますが、その後右肩上がりで増加しています。

    負債は停滞傾向が続いていましたが、近年増加傾向です。

    ドイツ 家計 対金融資産比 2021年 単位:% 現金・預金: 39.2 株 式 等: 25.8 年金・保険: 32.9 負   債: 26.3

    金融資産に占める現金・預金の割合は39.2%、株式等の割合は25.8%です。日本とアメリカの中間くらいの比率ですね。

    年金・保険が32.9%、負債が26.3%とやや割合が大きめです。