家づくりを検討している人で、限られた予算の中でどこにお金をかけようか悩んでいる人も多いだろう。お金をかけなくてもいい場所を知っておくことで、無駄な費用を削減できる。

今回は建築業界での勤務経験のある、不動産ライターの高槻翔太氏が、「家を建てる際に節約してもいい箇所」を解説する。

水回りの住宅設備

水回りの住宅設備は、価格の高さと比例するのは以下のようなグレードである。

● キッチン:扉や天板
● 浴室:壁のパネル
● トイレ:便器のデザイン

つまり、グレードの高い住宅設備を設置すれば、必ず日常生活で使い勝手がよくなるわけではない。

キッチンにおいては、食洗機や浄水器など使い勝手がよくなる設備をオプションでつけられるが、15年から20年経過すれば交換が必要になる。

しかし、キッチンや浴槽など本体の交換が必要になるケースは少なく、本体の耐久性はグレードによって変化しない点は覚えておきたい。

水回りの住宅設備のグレードを上げるよりも、収納や宅配ボックスの設置など、生活するうえで使い勝手がよくなるポイントにお金をかけるのがよいだろう。

外観のこだわり

家を建てるときには、多くの人が「おしゃれな家を建てたい」と考えるのではないだろうか。

特に外観の形状について、凹凸が多い建物や他の家とは違ったデザインをしている家に憧れを抱いている人も多いだろう。

しかし、このような外観にするためには通常よりも数百万円単位で建築費用が高くなるケースが多い。

形状が複雑な家を建てることで雨漏れなどのリスクも増えるため、家を建てるときはシンプルな形状にしてコストを抑えるのがおすすめだ。

住宅設備同様に、おしゃれな外観にしても生活環境がよくなるわけではないため、外観にお金をかける際は予算に余裕があるときにしたい。

不要な窓や設備

具体的には以下のようなものが挙げられる。

● 天窓:真夏の室温がすぐに上がる、汚れが目立つ、雨音が響く
● 窓のシャッター:強風時に飛んでいくなどリスクが大きい割に、コストがかかる
● 床下収納:物の出し入れをする際に腰に負担がかかる、段差ができるため転びやすい
● 浴室テレビ:子供がお風呂から出てこなくなる

デザイン性や防犯面、日々の生活の質を向上させる設備のように思われがちだが、デメリットも目立ちやすい。

このような「なくても困らない」設備は、必要な設備にお金をかけた後余力があるときに検討するとよいだろう。

生活環境を向上させる設備にお金を使おう

家づくりをするときには、おしゃれなデザインを重視した設備をつけたくなる人も多いだろう。

しかし、おしゃれなデザインを取り入れても生活環境が向上しない住宅設備などが多く、そういった設備のグレードを上げようとすると費用が跳ね上がる傾向にある。

まずは生活するうえで、使い勝手がよくなるような設備にお金をかけるのがおすすめだ。

文・高槻翔太
不動産、金融ライター。日本大学卒業後、不動産・建設の土地有効活用のコンサルティング営業を6年、人材業界の法人営業を半年間経験し現職。FPや顧客の資産運用の経験をもとに、不動産や金融メディアで執筆を行っている。得意分野は不動産、不動産にかかわる税務、金融。

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