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■デビュー当時から使い続けている【Gペン】
■有名プレイヤーが写る【JAZZ PORTRAIT HARLEM 1958】
■デビュー当時から使い続けている【Gペン】
原稿作成に欠かせないアイテムの一つ、「Gペン」も愛用品だと言う。近年はデジタルに移行する漫画家も増えてきたが、石塚さんは今でもアナログで原稿を描いている。
「僕以外はみんなデジタルを使えるんで、スタッフたちから『先生も早くアナログから抜けて!』って言われるんですよ。たしかにデジタルの方が表現の幅が広がると思うんですが、ほかにも手描きの先生がいるから、まだいいかなって(笑)」
年季の入ったGペンは、デビュー当時から使っているもの。当初、Gペンで描くときの力加減がわからず難しく感じていたが、何度も描いていくうちに手に馴染むようになった。
「漫画を描いている時、ペンを噛みながらスタッフに原稿をわたすことが多くて、気づいた時にはペン尻の部分も剥げてました(笑)」
そう言いながら、慣れた手つきで線を描き足していく石塚さん。登場人物の表情がイメージと違うとき、もう少し絵を強くしたいときに線を足し、リアルさを追求していると言う。
「新しいものにしたい気持ちもあるんですが、昔からの道具って全然壊れないんですよね」
デビュー当時から一緒に作品を生み出してきたペンは、まさに相棒と言える存在。石塚さんにとって紛れもない愛用品なのだろう。
■有名プレイヤーが写る【JAZZ PORTRAIT HARLEM 1958】
最後に紹介してもらったのが、「ART KANE JAZZ PORTRAIT HARLEM 1958」と書かれたポスターだ。
「アメリカへ取材に行った時に購入したもので、額装は日本で入れてもらいました。ポスター自体は高いものではないんですが、すごく気に入ってます」
一見すると外国人の集合写真のようだが、1950年代のジャズプレイヤーたちが写っていると言う。
「一番前にカウント・ベイシーが座ってて、ソニー・ロリンズやセロニアス・モンクもいたり……。名だたるプレイヤーが集まった有名な写真です」
ポスターに写っているプレイヤーの多くは、すでに亡くなっている。しかし、ジャズの一時代を築いた彼らの功績は大きく、今なお聴き継がれるほど数多くの名曲を残している。
「僕自身、ジャズの漫画を描いているので、この写真はずっと事務所に置いています。なんだか、ジャズの神様たちに見守ってもらっている気分ですね」