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奥に佇むモダンな構えの国立博物館
博物館のテーマは「失われたアイルランドの生活スタイル」!?

奥に佇むモダンな構えの国立博物館

アイルランドの国立博物館ナショナル・ミュージアム・オブ・アイルランド - カントリー・ライフを紹介!レンタル自転車でサイクリングできる広大なお庭やお洒落なカフェなど見どころがいっぱい!
(画像=『たびこふれ』より引用)

お庭にある標識にしたがって奥へと進むと、EUの旗とアイルランドの国旗が目に入ります。そこにモダンな構えの博物館がありました。ドアは重そうな開閉式の扉で手で押そうとしたところ、いきなり自動で開いたので驚きました。

博物館のテーマは「失われたアイルランドの生活スタイル」!?

アイルランドの国立博物館ナショナル・ミュージアム・オブ・アイルランド - カントリー・ライフを紹介!レンタル自転車でサイクリングできる広大なお庭やお洒落なカフェなど見どころがいっぱい!
(画像=『たびこふれ』より引用)

建物のなかに入ると、まずこちらの大きなガラスのパネルが目に入ります。一瞬通り過ぎてしまいそうなほどシンプルなデザインなのですが、私はアイルランド人の夫に呼ばれて足を止めました。

彼が言うには、これが一番大切なメッセージなのだそうです。見ると、「消えた生き方?」という疑問形の見出しが英語とアイルランド語で書かれてあります。今はほとんど日常生活で使われなくなってしまったアイルランド語で書かれてあるのも何か意味を感じますね。生き方のみならず、ひとつの言語が消えるというのは相当な理由があってのことです。

ここには、次のように書かれてあります。

"ほんの少し前まで、アイルランドの人々は私たちとは異なる生活をしていました。アイルランドの田舎では、ほとんどの人が自分のスキルとリソースに頼って、陸と海から生計を立てていました。この展覧会では、大飢饉から 1950 年代の終わり頃までの 100 年間、そのライフスタイルが本質的になくなるまで、彼らがどのように暮らしていたかを垣間見ることができます。"

私はこの文章に出会ったとき、胸にすとんと落ちた気がしました。実は、アイルランドをはじめて訪れたとき違和感があったのです。それは、アイルランドに脈々と流れているはずの昔からの文化が、どこかで断絶して置き忘れられているかのような不思議な感覚でした。その感覚で捉えるとこのミュージアムは巨大で静謐なお墓のようにも感じられました。