血抜きのマナー

血抜きは魚の鮮度を保つ効果的な方法ですが、釣り場で血抜きする際に気をつけないといけないことがあります。

船釣りの血抜き

船釣りの場合は、まず船体をナイフなどで傷つけないように注意してしなくてはいけません。血抜きをおこなっている最中は、血が船体に飛び散らないようにすることも必要です。汚してしまった場合は最後に綺麗に洗い流しましょう。また、釣り船によっては血抜きをした水を船外に流すと鮫が寄って来るなど、血抜きがそもそも禁止されている船もあるので事前に確認しましょう。

防波堤の血抜き

防波堤でバッカンやバケツを使って血抜きをした時は、魚の血が混じった海水を陸に捨ててはいけません。悪臭の原因になり釣り場を逆に汚すことになるので気をつけましょう。

釣った魚の持ち帰り方完全ガイド 【魚の締め方3つのステップを解説】船上での血抜き(提供:週刊つりニュース中部版APC・伊藤新治)

こまめに血が混じった海水を海に捨てると、魚が警戒することがあるのでなるべく釣り終わりにまとめて行い、近隣の釣り人が少ない場所に捨てましょう。

神経締めもできれば行う

「神経締め」とは、血抜きをおこなった後にワイヤーなどの機具を使い、魚の背骨の上に沿って走っている脊髄を破壊する方法です。神経締めをすると、魚の死後硬直の時間を遅らせることができます。魚の鮮度が長持ちするので、できればおすすめする方法です。

釣った魚の持ち帰り方完全ガイド 【魚の締め方3つのステップを解説】神経締め(提供:TSURINEWS編集部)

魚の大きさ別の締め方

魚の締め方のイメージは掴めたと思います。ではどの魚も同じ方法で良いのでしょうか?ここでは大きさ別の締め方や魚種ごとの締め方を紹介します。

氷締め

塩氷の中に釣った魚を投入して締めますが、この方法では血抜きをしなくても味に大きな影響がない小型の魚がおすすめです。魚種としては、アジ・イワシ・サヨリなど。

釣った魚の持ち帰り方完全ガイド 【魚の締め方3つのステップを解説】氷締めは数釣りできる小型魚向け(提供:TSURINEWS編集部)

サバ折り

釣り上げた魚のエラ部分に指を入れて、背びれ方向にポキッっと折り曲げて締めます。締めると同時に血抜きもできる簡易的な方法で、主に小~中型青物のサバ・ヤズやカツオなどに用います。

釣った魚の持ち帰り方完全ガイド 【魚の締め方3つのステップを解説】サバ折り(提供:TSURINEWSライター藤倉聡)

活け締め

30cmを超える大きな魚は前述した脳締めから神経締めまでの方法で締めると良いでしょう。もちろん余裕があれば小さい魚もこの方法でしっかりと処理すると、美味しく食べられます。

魚によっては内臓を取って持ち帰る

魚は内臓から痛んでいくといわれるように、魚を釣ったらなるべく早く内臓処理を行ったほうがよいです。なかでも次のような魚は釣れたらすぐに内臓を取ったほうが美味しく食べられます。

カワハギ

フグにも取って代わるといわれるほど美味しい魚ですが、消化能力が強い為なのか釣った後2時間ぐらいすると強烈な臭いを内蔵から発します。そして5~6時間経過するとお腹あたりが茶褐色に変色するので早めに処理しましょう。美味しい肝もすぐに取り出しておくほうが臭みが軽減します。

釣った魚の持ち帰り方完全ガイド 【魚の締め方3つのステップを解説】内臓を取り除く(提供:週刊つりニュース関東版編集部)

青物

青物は足が早いので鮮度が大切だと聞いたことがあると思います。昔からのいわれの通り早く血抜きと内臓処理をしないと身が独特の生臭いにおいになってしまいます。また、内臓をすぐに取ることでアニサキスが身に移るのも抑制できます。

磯魚

メジナやニザダイ、イスズミなど磯魚は独特の香りがあることが多く、魚によっては釣り人から嫌われるほどの強烈な磯臭さを発します。しかしながらイスズミやニザダイなど生きた状態で手早く内臓処理することで美味しく食べられる魚もいます。

内臓を取るなら氷水はNG

内臓を処理した魚はきれいに洗ってから袋に入れて冷やしましょう。直接氷水に漬け込むと冷やしすぎることになり、前途した氷焼けにもなります。そして浸透圧の影響で魚の旨味成分まで出てしまう恐れがあるので気を付けましょう。