API連携の仕組み
API利用者がAPI提供者に対し、リクエスト(要求)を送り、API提供者がレスポンス(応答)するのがAPI連携の基本的な仕組みです。リクエストとレスポンスに関するルールや、リクエストに対してどのようなレスポンスを返すのか、サービスの利用範囲などはすべてAPI提供者が定めています。
APIのルールを破って使用された場合は、不正利用となり、ハッキングとなる可能性が高いです。
レストランで料理を注文する流れをイメージするとわかりやすいです。例えると、客がAPI利用者、レストラン側がAPI提供者になります。
● 店員からメニューを受け取る(API提供者からサービス利用範囲、API連携のルール)
● 料理を決めて注文する(リクエスト・要求を送る)
● 店内で料理が作られる(リクエストの処理)
● 料理が提供される(レスポンス・応答)
メニューにない料理を注文しても、料理が来ないように、ルールに沿っていない使用はできないようになっています。
API連携のメリット
API連携をすることで、多様なサービスが簡単に構築できるようになります。すでに開発されているシステムが使用可能になり、すべてのサービスを一から開発する必要がなくなるからです。以下では、より具体的なAPI連携のメリットを説明します。
開発コストを削減できる
アプリケーションの開発を1からすべて自社で行おうとすると、完成までに膨大な時間と費用がかかります。アプリケーションの処理機能が高度になればなるほど、開発に時間と費用がかかります。
APIを利用することで、開発にかかる時間と費用を大幅に減らすことが可能です。なぜなら、多くのAPIは無料で提供されているからです。有償APIであったとしても、自社で開発から構築する費用と比較すれば、低コストに抑えられます。APIの利用で、自社で開発する時間や費用を大幅に抑えることができます。
機能を拡張できる
今までは、リソース不足のために高機能のアプリケーション開発が難しいとされていたものでも、APIの利用で機能追加が簡単にできるため、開発スピードが早いです。
また、サービス同士がAPI連携した場合、連携先のサービスが利用できるため、提供できるサービスの幅が広がります。API連携によって開発コストを抑えても、簡単に機能の拡張が可能となります。
セキュリティが向上する
自社ですべてシステムやアプリの開発を行う場合、情報セキュリティに詳しい人材が必要です。しかし、ベンチャー企業など、情報セキュリティに詳しい人材が不足していることは容易に考えられます。
既存のセキュリティレベルの高いAPIを利用することで、自社内でセキュリティ部分を開発する必要がなくなります。
新しいサイトで会員登録する際に、SNSのアカウントからログインできた経験を持つ人も多いのではないでしょうか。すでに持っているSNSアカウントからログインできるのはユーザーにとっても便利ですし、大企業のセキュリティのほうが信頼度も高いため、利用率の向上につながります。