中に入り、見上げてみると特徴的なドーム型の天井が目に入ります。中心部のレリーフのほか、漆喰についた汚れなども残さず再現されていて、リアルな臨場感が楽しめます。

階段を降りていきます。踊り場に並んでいる塞がれた3つの窓は、かつての出札口(切符売り場)。横の扉が開いていますが、中に入れるのでしょうか。

開いた扉から進むと、内部へ入ることができました。3つの窓を繋ぐようにのびるカウンターが、かつて出札口だった名残を感じさせてくれます。

さらに降りていくと、1997年の営業休止まで使われていた切符売り場と、2018年11月23日〜2019年2月24日に当地で開催された美術イベント「アナウサギを追いかけて」で使われた巨大なアナウサギ像(サカタアキコさん作)が目に入ります。

アナウサギ像はイベント時、駅舎に入ってすぐの場所に設置されましたが、会期終了後に現在の場所へ移設。ライトアップされた様子は、通過する電車の車窓からも見ることができます。
アナウサギ像と壁の隙間は通ることができるので、切符売り場の横から像の正面を見ることも可能。こんな場所のデータもきっちり作られていることが分かります。

この空間では環境音として、計測時に収録した音声が流れています。列車がやってくる音がすると、ホームを京成電鉄の3100形電車が通過。電車のデータもしっかり作られているんですね。

ホームに出てみると、上りと下りのホームが互い違いに配置された、独特のレイアウトが確認できます。連絡通路を通り、反対側のホームへ行ってみましょう。

改札の反対側、下りホームにやってくると、ペンギンを描いた壁画が目に入ります。その下には、グレーのキューブが3つ並んでいますが、これはギミックを発動させるためのもの。

近づいてキューブをクリックしてみると、壁画のペンギンが増殖しました。ペンギンが並んで行進しているように見えますね。

この壁画のギミック、過去に漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)」で博物館動物園駅を取り上げた回があり、そこで披露された逸話を少し意識して設置されているのだとか。「こち亀」の当該回を読むと、より楽しめるかもしれませんね。
こちら側のホームにも、定期的に電車が通過していきます。アバターを配置した第3者視点で見てみると、電車を待っているようにも見えてきます。

藤原龍さんと長坂匡幸さんによるフォトグラメトリは、本当に細かい部分まで再現されています。ホームの壁に残る落書きや、表示が剥がされた後など、駅の雰囲気を余さずVRに移植している感じ。

これだけリアルに作り込まれていると、VRヘッドセットで体験した場合、電車が通過する時の風も、吹いていないのに感じてしまうかも。昭和初期に作られたトンネルと、駅の雰囲気が見事に再現されています。

「デジタル ハクドウ駅」は、現在「Cluster」版と「VRChat」版が公開されています。それぞれ利用者登録をして楽しんでみると、実際に訪れた時のような体験が待っているかもしれません。
<記事化協力>
東京藝術大学美術学部建築科 金田研究室(プレスリリース)
株式会社ホロラボ 藤原龍さん(@lileaLab)
(咲村珠樹)
提供元・おたくま経済新聞
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