■ 建築業、造園業等による産業廃棄物焼却
事業者による産業廃棄物の違法焼却行為である。
事業により発生した廃棄物は伐採枝葉も含め産業廃棄物であり、一般廃棄物よりも処理方法が厳しく定められており、許可された事業者が、許可された設備を使用する以外、自身での運搬集積および焼却処理を行うことは違法である。
特に多いと思われるのが、中小規模の工務店や造園業者による違法焼却である。

違法焼却に使用された焼却炉と浴槽
自社の作業場や現場等に設置した簡易焼却炉、ドラム缶、穴を掘った場所に産廃を投入し燃焼処理する。伐採枝葉の他、建築廃材等が燃やされる。
当然に大量の煤煙が放出される。薬剤含侵廃木材、タイヤ、屋根材、塗料片、余剰薬剤、樹脂系壁材やその他塵芥までも燃やし、これらは強い異臭と黒煙が出る。

建築解体廃材
酷い例では、夏季は「焼却炉」だと言い、冬季は暖をとる「薪ストーブ」だと、都合よく言い換えて摘発を逃れようとする悪質な造園業者を確認している。
「暖をとる」のであれば、どんなに煤煙悪臭を出して何を燃やしても良いと身勝手な主張を展開し、公務員の制止指示を聞き入れず警察官にさえ逆らうという。

違法焼却現場、警察官による取締
これらは摘発が困難である。職業柄、強硬に反発する業者もあるようで、特に顕著に見られるのが、官庁の休日や夜間を狙って廃材焼却を行う例であり、この場合は警察への通報によるしか無い。
■ 山焼き
山腹や平原の雑草を焼き払う行為であり、いずれも古代から風物詩として継続して行われてきたという情緒論的な理由で継続し行われている例が多い。
草木類を毎年、人為的に焼き払うことで生態系や美観の維持、病害の発生を抑止しているというが、結果としてはあくまでも人間の都合に寄せられた事情によって継続されているものである。
必要論に対しては、計画範囲外への延焼、人的被害、家屋等の焼失も発生しており、環境面以外に安全上の観点からも必ずしも必要であるかの議論は行われるべきであろう。
あくまでも筆者個人としては、放置すれば元の自然の形態に戻るだけであり何の支障もないはずであり、人為的焼却は環境保護、大気汚染防止上、収束させるべきと考える。
熱帯雨林の焼畑農業を問題視するなら、これらの山焼き行為は完全に農業生産に寄与しない不要な焼却といえるものであり、悪しき慣習は機会を持って捨て去るのが、時代の要請に沿うものであると言えないか。
人工香料等による化学物質過敏症化学物質過敏症、一般には所謂、CSや香害と呼称されている。
洗剤、柔軟剤、消臭剤等に含有される芳香成分(その基材としての揮発性有機物)が揮発し、鼻腔や皮膚より吸収され激しいアレルギー症状を起こす被害の報告が急増している。
一旦発症すると次第に微量の曝露であっても激しい炎症反応が起き、他の物質によるアレルギーも併発し、事例によっては呼吸困難、意識喪失や精神に問題を起こすこともあるという深刻な事態が起きている。
芳香成分は微小樹脂カプセル内にあり、これが順次破裂し内容物が気化飛散することにより芳香となるが、その気体成分が身体に悪影響を及ぼすことが次第に明らかになってきており、欧米の一部の国ではこれらを製品に混入することが禁止となっているようである。
また、この微小樹脂カプセル自体も衣類から脱落し微粒子として大気中に飛散、周辺にまでその臭気成分が到達侵入し被害を及ぼす、という事例も有るという。
症状は他人には理解しがたいものであり、周囲の理解を得ることも難しいという。 被害者の多くは言う。昨日までは何でもなかったはずが、ある日突然原因不明の発作が起きたと。
メーカーによる真摯な対応も必要だが、現段階では全くそれがなされていないという。啓蒙啓発も一部の行政機関によるのみで、法令等による使用制限等は一切行われておらず、公的機関による具体的な対策はほぼ実施されていない。
化学物質過敏症被害者の名言を一つ紹介しておこう。
「明日は我が身」
これらについての研究は一部で行われているようではあるが、未だ実態解明の途上である。今後は詳細な研究が望まれるカテゴリといえる。
参考に一般社団法人経皮毒研究会を紹介しておこう。