新型コロナウイルスの影響で移動が制限されたことで、世界的にガソリン需要が縮小しているようだ。一方で価格は高騰しており、一向に下落の兆しを見せない。この記事では、ガソリン代の安い・高い都道府県を紹介しつつ、ガソリン価格決定のメカニズムに迫る。

レギュラーガソリン代が安い都道府県TOP5

経済産業省資源エネルギー庁が毎週発表している石油製品価格調査をもとに、レギュラーガソリン代が安い都道府県ランキングトップ5を調べてみた。なお、数値は2023年1月25日付のものを使用しており、全国平均は168.1円となっている。

<レギュラーガソリン代が安い都道府県TOP5>
順位 都道府県名 レギュラー価格
1位 宮城県 160.8円
2位 徳島県 161.2円
3位 埼玉県 162.6円
4位 岩手県 162.8円
5位 青森県 163.1円

1位、4位、5位と上位に東北勢がランクインする結果となった。6位にも秋田県がつけている。埼玉県は1都6県で構成される関東地方の中では最安値の常連で、全国平均と比較すると5.3円安い。

レギュラーガソリン代が高い都道府県TOP5

同様に、レギュラーガソリン代が高い都道府県ランキングトップ5も調べてみた。

<レギュラーガソリン代が高い都道府県TOP5>
順位 都道府県名 レギュラー価格
1位 長崎県 181.6円
2位 鹿児島県 177.1円
3位 長野県 176.8円
4位 高知県 176.1円
5位 大分県 175.8円

九州4県が上位を占める結果となった。3位は中部地方の長野県と、各エリアの価格差には地理的な要因だけでは説明しきれない「何か」がありそうだ。

なぜガソリン価格に違いが出るのか?

ガソリン価格に地域差が生じる理由の一つは、ガソリンを精製する精油所からの距離だ。精油所から離れるほど輸送コストがかさむため、精油所に近いエリアは安く、遠いエリアは高くなる。

基本的に精油所は海岸近くに建設されるため、内陸に位置する長野県のガソリン価格が高いのもうなずける。

小売業などと同様に、ガソリンスタンドの立地が価格に影響することもあるだろう。人口密度の高い都市部では競合店が多いため、価格競争が起こりやすい。一方で地価が高いため、スタンドのランニングコストは地方に比べて高くなる。

ガソリンには、1リットルあたり53.8円の揮発油税などの税金が課せられている。おまけに消費税も課税されており、各スタンドは常にシビアな価格設定を強いられているといえるだろう。

ガソリンカードを賢く使って節約も

ガソリンがお得になるクレジットカードを選ぶ際には、値引き額やポイント還元率だけに注目するのではなくよく利用するSSでお得かどうかを考慮したい。またガソリン給油だけを目的にカードを作るのなら年会費無料のもののほうがいいだろう。そのうえでガソリンを節約する運転や給油を心がけると納得のいく水準までガソリン代をセーブできるはずだ。

文・MONEY TIMES編集部