■以下、馬場代表の質問全文■

日本維新の会の馬場伸幸です。

令和5年の干支、癸卯(みずのと・う)には「春の兆し」や「物事の終わりと始まり」の意味があると言われます。日本は戦後最大の転換期を迎えており、あらゆる面で構造改革に着手し、その流れを軌道に乗せる年にしなければなりません。

前国会の成果

昨年、わが党はこれまで掲げてきた政治理念に基づく政策のいくつかを国会活動を通じて実現することができました。 旧統一教会の被害者救済法案は、もともと次の国会へ先送りし、ほとぼりが冷めるのを待とうとしていた政府与党に議員立法で対案を示し、前国会中の成立を実現しました。粘り強く国会質疑と折衝を繰り返すことで、抜け穴だらけだった当初の政府案に一定の実効性を持たせることに成功しました。 新型コロナ等の感染症法改正では、わが党の発案により、2類相当から5類への変更に関する文言が法案に追記されました。これが与野党及び政府の決断を促し、新型コロナの感染症法上の位置づけの見直しは現在、政府の具体的な方針として進められています。

身を切る改革では、日本維新の会が持つ科学技術・イノベーション推進特別委員長のポストを自ら返上することで、ほぼ開かれることのない特別委員会に委員長手当や公用車などの無駄な税金がつぎ込まれていることに対して問題提起をし、結果的に特別委員会を一つ廃止することができました。小さな変化ではあるものの、これまで誰もやろうとしなかった政治家の特権排除の具体的な成功事例として画期的な変化が起きました。日本維新の会はこれからも身を切る改革の理念の下、確実に一歩一歩国会改革を積み重ねていきます。

国家安全保障戦略等の安保三文書の改定については、前国会冒頭の本会議代表質問での答弁に基づき、私と岸田総理との間で議論の機会が設けられました。深刻化する安全保障環境の中で国家と国民を守り抜くという政治の責任を果たすため、自民党案よりも一歩踏み込んだ防衛力の強化を主張しました。結果としてそれに近づく形で、安全保障上の抑止力となり得る反撃能力を保有する方針が安保三文書に明記されました。

その他にも、合法的ではあっても国民の理解が得られていなかった国葬義について、本来あるべき法律の姿をわが党が与野党で最初に議員立法としてまとめ上げ、国会に提出したことは、その後の国会における検証作業へと繋がっています。物価高・円安に対する総合経済対策では、将来世代への投資拡充を中心に多くの提案した政策が実現しました。園バスの安全装置の無償化や10増10減の期日通りの実行は、わが党が立憲民主党と協力して提出、あるいは準備していた議員立法が、一連の動きを確実にし、加速させたと考えています。

こうした国民と国家にとって望ましい変化を起こすことができたのは、わが党のみならず、志ある政治家が政党の枠を超えて努力を続けた結果です。その中では、岸田総理の決断が推進力となった場面もあったと考えています。