そのために、本当に問題のある団体や人だけでなく、かつてお世話になった人から「晋三は冷たい」といわれたものだ。さらに、母は別の宗教には惹かれていて関係もあるのだが、それは旧統一教会と厳しく反目しているところだというのも旧統一教会を嫌っていた理由だと思う。

また、自分としては、北朝鮮と旧統一教会が近すぎるのも好ましくないと思ってテレビ番組で一緒になった有田芳生さんにお聞きしたくらいだ。

一方、1999年に自公連立が成立してからは、民主党が立正佼成会や生長の家などを引き剥がしたし、旧統一教会にも鳩山由紀夫さんが猛チャージをかけて取り込もうとしており、政権をとってから、警察にも文化庁にも何もさせなかった。あいかわらず、鳩山さんが韓国に卑屈な態度をとり続けているのをみるとまだ諦めてないのかもしれない。

それにもかかわらず、旧統一教会が民主党になびかず、自民党を支持し続けたのは、会員がそれを望んだからだ。こうした新興宗教の信者はだいたい保守系の人だ。ところが、自公連立を嫌うあまり野党支持に転じた宗教団体では、会員数を激減させているから、そういうことになるのを嫌ったのだろう。

そもそも、清和会は岸信介からの伝統で、支持を増やすために政策提案を打ち出すというタイプの田中角栄型の利益誘導集団でない。自分たちが信じる政策を提案して、それに共感する人が支持するというのがモットーだ。憲法改正でもなんでも、どっかの団体にそれが喜ばれるから提案しているはずもない。

逆に安倍内閣で旧統一教会におもねるためにした政策があるなら云って欲しいが、そんなものはないのである。むしろ、霊感商法の取り締まり強化もしたし、南北朝鮮への厳しい対処は旧統一教会がいちばん嫌うところだが、自分ほどそれを徹底した政治家がいただろうか。