WordPressとは、ウェブサイトやブログを作成するときに活用できる無料ソフトウェアです。世界中のウェブサイトで、最も使われているとも言われています。なぜWordPressが選ばれているのか、また、WordPressにできることや適したウェブサイトについて分かりやすく解説します。
目次
WordPressとは?
WordPressの基本的な機能
WordPressとは?
WordPressとは、ウェブサイトやブログを作成するときに使えるCMS(コンテンツ管理システム、Content Management System)のソフトウェアです。直感的にサイト管理や記事投稿ができるように工夫されているため、専門的なプログラミングのスキルがなくても扱えます。また、実際に世界中のウェブサイトのうち、40%以上はWordPressで作成されているとも言われています。
なお、WordPressは無料ソフトウェアのため、利用料金は発生しません。しかし、レンタルサーバー代やドメイン使用料、記事の作成を外注するときは執筆料などがかかります。内訳は「WordPressの導入にかかる費用」で後述しますが、掲載するコンテンツを自作するときは初年度に1万~4万円、次年度以降は1万円ほど、ウェブサイトの作成を専門会社に依頼するときは初年度に20万~50万円、次年度以降は5万~25万円ほど必要です。
世界で最も使われているCMS(ブログ投稿管理システム)
WordPressは、世界で最も使われているCMSと言われています。なお、CMSとは「コンテンツ管理システム」のことですが、ブログにも用いるので「ブログ投稿管理システム」と呼ばれることも少なくありません。
CMSは、ブログだけでなく企業や公的機関の公式ホームページにも用いられています。CMSでは、文章だけでなく写真などの画像も組み合わせて、コンテンツを作成できます。また、コンテンツの投稿時間を設定できるので、専属のスタッフを配置しなくても自動的に投稿を管理できます。
WordPressは知識がなくても簡単に運用できるのが人気の理由
本来、ウェブサイトを作成するためには、HTMLやCSSなどのプログラミング言語を理解し、コードを書き、プログラミングできるスキルが求められます。しかし、CMSを利用すれば、プログラミングなどの素養がなくても、決められた場所に適切な文字を入力したりチェックを入れたりするだけで、コンテンツ作成や投稿管理が可能になります。
CMSの中でもWordPressは、直感的にウェブサイトを作成できるソフトウェアです。コンピュータに関する専門的な素養がなくても利用でき、文字の入力から装飾、コンテンツの公開まで少ない作業工程数で行えます。
また、WordPressが人気の理由として、無料で利用できることも挙げられます。サーバー代やドメイン使用料などは別途必要ですが、WordPressのシステム自体には使用料はかかりません。
他のCMSとWordPressの大きな違い
他のCMSとWordPressの違いとしては、次のポイントが挙げられます。
● 無料で利用可能
● インターネットやプログラミングについての専門知識が不要
● 自由度の高いカスタマイズが可能
● 運用が簡単
WordPressはオープンソースソフトウェアなので、ソフトウェアを購入せずに利用できます。独自のドメインでWordPressを利用するときも、ドメイン使用料とサーバー代などしかかかりません。
また、CMSの中にはプログラミングの素養などを求められるものもありますが、WordPressには不要です。パソコンで文章を入力したことがある程度の経験でも、簡単に扱えます。
WordPressでは外観デザインのレパートリーが多く、簡単にデザインを自分好みに変更することが可能です。「プラグイン」と呼ばれる形でWordPressの標準仕様には搭載されていない機能が配布されているので、機能を増やし、より便利かつデザイン性の高いウェブサイトにカスタマイズすることもできます。
WordPressは運用が簡単な点に定評があるソフトウェアです。元々、個人がブログを作成するために作られたCMSのため、個人が簡単に扱えるように工夫されています。そのため、企業ウェブサイトなどをWordPressで作成する場合、担当者が変わっても簡単に引き継ぎができるでしょう。
WordPressには2種類ある
WordPressには、次の2つの種類があります。
- WordPress.org
- WordPress.com
なお、いずれも正規のWordPressのため、どちらが本物というわけではありません。しかし、互換性がないので、それぞれの特徴を理解してから運用するブログやウェブサイトに合うWordPressを選ぶようにしましょう。
1.WordPress.org
WordPress.orgは、WordPressのソフトウェアを開発しているウェブサイトです。サーバーやドメインの提供はないため、事前にレンタルサーバーや独自ドメインを準備しておくことが必要になります。
利用する手順は以下の通りです。
- サーバーと独自ドメインを用意する
- サーバーにWordPressをアップロードする
- WordPress内の設定を行う
サーバーと独自ドメインを準備しなくてはいけないという点に注目すれば、WordPress.orgは少し手間のかかるウェブサイトと言えます。しかし、利用規約に縛られないため、より自由度の高い運営が可能になります。
例えば、ウェブサイト上でアフィリエイト広告を掲載し、広告収入を得ることも可能です。また、内部構造がSEOに強いため、検索エンジンで上位に表示されやすく、閲覧数を増やしやすい点も特徴です。
2.WordPress.com
WordPress.comは、レンタルブログサービスです。ブログの作成と運営に必要なツールが全てサーバー上に準備されているので、申し込んですぐにブログを始められます。
WordPress.comには、無料プラン以外にも、パーソナルとプレミアム、ビジネス、eコマースの4つのプランがあります。
<WordPress.comのプラン>
● 無料
● パーソナル
● プレミアム
● ビジネス
● eコマース
無料プランで作成できるウェブサイトはシンプルで見やすいものですが、WordPress.comの広告が入るため、使いづらく感じるかもしれません。一方、有料プランならWordPress.comの広告が入らず、発信する内容に対して閲覧者の注目を集めやすくなります。
また、ブログから広告収入を得たいときは、プレミアムかビジネス、eコマースのいずれかに申し込むことが必要です。プラグインをインストールしてウェブサイトの機能性を高めたいときはビジネスかeコマース、オンラインストアを運営するならばeコマースが適しています。
なお、WordPress.orgには利用規約がありませんが、WordPress.comでは他のブログ運営サービスと同様、細かな利用規約が多数設定されています。規約に違反するとブログが削除されることもあるので、常に利用規約と照らし合わせて運営していくことが必要です。
WordPressの基本的な機能
より簡単にWordPressを利用するなら、わずか数分でブログやウェブサイトを立ち上げられるWordPress.comです。WordPress.comの基本的な機能としては、以下のものがあります。
● 記事の執筆・投稿
● 画像や動画の投稿
● ブログコメントの管理・返信
● 閲覧数の確認
● ユーザ権限設定
なお、機能によっては有料プランのみとなるものもあるので注意しましょう。また、プラグインすることで次の機能も追加できます。
● SEO対策
● SNS連携
● お問い合わせ機能
● セキュリティ対策
それぞれの機能について見ていきましょう。
記事の執筆・投稿
WordPressは、ブログやウェブサイトを作成するサービスです。そのため、記事の執筆や投稿の機能は有料・無料に関わらず基本的についています。WordPressではどのプランもシンプルな管理画面で構成されているので、ブログ作成やウェブサイトの管理をしたことがない方でも直感的に利用できます。
なお、管理画面はユーザー名とパスワードさえ入力すれば、異なるパソコンでも編集可能です。ブログやウェブサイトの運営に関わるメンバーにユーザー名とパスワードを知らせておけば、複数人で管理でき、運営や執筆の負担を軽減できるだけでなく、ミスもチェックしやすくなります。
また、外注する場合も、依頼先にユーザー名とパスワードを知らせておけば、執筆から投稿までワンストップで任せられます。作業効率が高まるだけでなく、より広く執筆者を募ることができるため、文章のクオリティが高くなる点もメリットです。
画像や動画の投稿
WordPressではテキストだけでなく、画像や動画も投稿できます。他のブログ作成サービスでは、一時的にサーバーに画像をアップロードしなくてはいけないことも多いのですが、WordPressでは管理画面上で直接画像をドラッグアンドドロップできるので、手間をかけずに画像・動画の挿入が可能です。
テキストだけのブログも良いのですが、やはり適切な場所に画像・動画が挿入されていると、読者の理解を深めやすくなります。また、文章だけでは飽きてしまうこともあるので、画像・動画を挿入することで途中離脱を回避しやすくなります。
ブログコメントの管理・返信
WordPressでは、ブログの記事ごとに読者がコメントを残せるように設定できます。読者とのコミュニケーションを深める手段として活用することもできますが、悪意のあるコメントを残す読者も想定されるため、記事のテーマや読者層に合わせて次のようにコメントの設定を変更するようにしましょう。
● 読者はコメントを記載できる。コメントを記事下部に表示させる
● 読者はコメントを記載できる。コメントは記事下部に表示させない
● 読者はコメントを記載できない
また、他の読者に良くない影響を与えそうなコメントについては、管理画面から削除することも可能です。
閲覧数の確認
WordPressでは、管理画面で記事ごとの閲覧数をチェックできます。アクセス解析ツールを利用しなくても閲覧数が確認できるので、手間をかけずにブログの分析を行えます。
ユーザ権限設定
WordPressでは、ログインするIDによって権限を変えることが可能です。権限の内容によって次の3つにWordPressの利用者を分けられます。
● 管理者:WordPressの全ての機能を利用できる
● 投稿者:記事の投稿と編集・公開ができる
● 寄稿者:記事の下書きができる
投稿者は記事を削除できません。記事の削除に関しては、管理者が担当します。また、寄稿者は記事の投稿や公開に関する権限を一切持ちません。ブログの執筆を外注するときは、執筆者に寄稿者としてのIDとパスワードを付与すると、誤って記事を投稿・削除するといったミスを回避できます。
その他プラグインで追加できる便利機能
プラグインを利用すれば、WordPressの基本機能にはない機能を追加することが可能です。WordPressが公式に提供しているものやサードパーティによるものなどがあるので、必要な機能を探してみましょう。
プラグインのインストールは、WordPressの管理画面から行います。アンインストールしたいときも、管理画面からワンクリックで実施できます。
SEO対策
ブログで広告収入を得たいのであれば、検索エンジンで上位に表示されることが必要です。また、商品紹介ページやECサイトなども、検索エンジンで上位に表示されなければ、売上の増加は難しいと言えるでしょう。
検索エンジンで対象の記事やウェブサイトが上位に表示されるように取り組むことを「SEO対策」と言います。WordPressのプラグインにはSEO対策に関わるものも多いので、導入してみましょう。
SNS連携
ブログやウェブサイトの閲覧数を増やすためには、検索エンジンで上位に表示されるだけでなく、流入経路を増やすことが不可欠です。プラグインの中には、コンテンツをSNSと連携する際に活用できるものもあります。SNSの運用をしている場合には、利用を検討しましょう。
お問い合わせ機能
気になる疑問についてコメントとして残す読者もいますが、パーソナルな疑問に関しては担当者と1対1で相談したいと考える読者も多いと考えられます。ブログやウェブサイトにお問い合わせフォームをつけると、読者の疑問にスムーズに対応できるようになります。お問い合わせフォームを構築するプラグインを用い、読者との関係強化に活用しましょう。
セキュリティ対策
記事の内容とは関係のないコメントが大量に投稿されることがあります。これをコメントスパムと呼びますが、他の読者に不快感を与えるだけでなく、利用規約に反することもあるので注意が必要です。
コメントスパム以外にも、ブログやウェブサイトの運営は様々なセキュリティリスクに晒されます。セキュリティ対策に活用できるプラグインをインストールして、より安全な運営を目指しましょう。
なお、WordPressでは基本機能にセキュリティ対策がついていないため、安全な運営を実現するにはセキュリティ対策のプラグインが必要です。少々手間がかかるだけでなく、セキュリティ対策に使えるプラグインは多いため、どれを使ってよいのかと迷うこともあるでしょう。
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