コンセプチュアルスキルを高める・鍛えるための考え方

コンセプチュアルスキルを高めるためには、普段の考え方を変えてみるのがおすすめです。コンセプチュアルスキルの構成要素として紹介した複数のスキルや思考法を鍛えるための考え方を3つ紹介します。

具体化

一つひとつの物事を具体化し、事象同士の因果関係を見抜くことで、コンセプチュアルスキルを高められるでしょう。概念を具体例を交えて示したり、成功・失敗の要因を個別具体的にとらえたりすることで、具体化の力は育ちます。

抽象化

個別具体的な出来事を俯瞰し、共通点や因果関係を見つけ出すことでも、コンセプチュアルスキルを高められます。このような抽象化の過程を経ることで思考力は鍛えられ、知識や経験を概念化して自分の中に蓄積していけるでしょう。

定義

成功や失敗を言語化し、定義することも、コンセプチュアルスキルには欠かせません。「自分やビジネスをどんな状態にもっていきたいのか」「何をどこまでやるべきなのか」を定義することで、より適切な判断が下せるようになります。

従業員のコンセプチュアルスキルを育てる方法・高め方

特にドラッカーモデルでは、マネージャーだけでなくナレッジワーカーにもコンセプチュアルスキルが必要とされています。強い組織を作るには、マネージャーだけでなく、すべての従業員のコンセプチュアルスキルを育てなくてはなりません。

従業員のコンセプチュアルスキルを高めるために何ができるのか、6つの方法を紹介します。

研修

コンセプチュアルスキルとは何か、どうすれば鍛えられるのか、まずは研修を開いて従業員に知ってもらいましょう。コンセプチュアルスキルの構成要素は多いため、一度の研修ではなく、段階を踏んで成長していけるようなプログラムを組むのがおすすめです。

OJT

OJTは、実務を通して知識を共有したりスキルを身につけたりする方法です。上司や先輩社員が新人のトレーナーとなり、仕事のやり方を見せながら説明したり、そのうえで実践してもらったりします。

ただ、コンセプチュアルスキルはいくつものスキルの集合であり、OJTで指導する難易度は高いです。まずは研修したり事前に説明したりして、コンセプチュアルスキルについてある程度理解してもらうといいでしょう。

1on1

1on1は上司やマネージャーと部下・メンバーが1対1で行う面談のことです。1on1でコンセプチュアルスキルをどの程度習得できているのか、次の課題は何かなどを明確にすることで、従業員の学習意欲や成長速度を高められるでしょう。

eラーニング

eラーニングとは、PCやスマートフォンなどを使った学習・教育プログラムのことです。端末とインターネット環境さえあればどこでも学習できるため、自習にも適しています。

コンセプチュアルスキルは構成要素が多く、普段の考え方から変えていかなければなりません。通常の研修やOJTだけでは限界がありますし、従業員が興味をもったときに、自ら学べる環境をつくることも重要です。

ジョブローテーション

コンセプチュアルスキルの構成要素は多く、多岐にわたるスキルを身につけなければなりません。ジョブローテーションでさまざまな仕事に携わることで、経験と知識が増え、コンセプチュアルスキルを構成する複数のスキルを自然に身につけられるでしょう。

ワーク

コンセプチュアルスキルを高められるワークに、「ジュニア・ボード」があります。ジュニア・ボードでは、何人かの従業員で議事役員会を開き、経営について議論したり実際の経営陣に提言したりします。

全社横断的に考えたり議論したりすることで視野が広がり、今までとは違った考え方を身につけられるでしょう。