コンセプチュアルスキルは物事の本質を見抜く力で、概念化力とも呼ばれます。複雑化する社会で生き残るために必要なスキルとして注目されています。

本記事ではコンセプチュアルスキルとは何か、どんな人に必要なのかを解説します。コンセプチュアルスキルを高めるメリットや鍛え方も紹介するので、できそうなものから取り組んでみましょう。


本記事の内容をざっくり説明



  • コンセプチュアルスキルの概要と構成要素

  • コンセプチュアルスキルの鍛え方

  • コンセプチュアルスキルを高めるメリット



コンセプチュアルスキルとは?

コンセプチュアルスキルとは、物事を深堀りし、本質を見抜く力のことです。集めた情報や知識の共通点を見つけ、体系的にまとめる力に優れるため、「概念化力」とも呼ばれます。

誰もが膨大な情報に触れられるようになった現代では、価値観が多様化し、ビジネスは複雑になりました。そんな中にあって、物事の本質を見抜く力は重要です。

「この戦略はなぜ成功(失敗)したのか」「市場の変化にどう対応すればいいか」といったビジネスシーンでの判断はもちろん、どう働き生きるべきかといった「個人の生き方」を模索するうえでも、コンセプチュアルスキルは役立ちます。

カッツモデルにおけるコンセプチュアルスキル

コンセプチュアルスキルはもともと、ハーバード大学の経済学者であるロバート・カッツ氏が提唱した「カッツモデル」の構成要素でした。

カッツモデルはマネジメントを3つのレベルに分け、それぞれに必要とされるスキルを体系的にまとめたものです。

図のように、カッツモデルではマネージャーとしてのレベルが上がっていくごとに求められるスキルが増えていき、最終的に必要となるのがコンセプチュアルスキルです。

ドラッカーモデルにおけるコンセプチュアルスキル

フランクフルト大学の経済学者であるピーター・ドラッカー氏が、カッツモデルを基にして提唱したのが「ドラッカーモデル」です。

ドラッカーモデルでは、ナレッジワーカー(一般社員)を含め、どの職域でもコンセプチュアルスキルが必要とされています。

現代の複雑化した社会では、考えなければならないことや集めるべきデータも増え、ナレッジワーカーにも判断したり考えたりする力が求められます。

特に日本社会では、ジョブローテーションが基本で、ナレッジワーカーの業務範囲も広いです。ジョブ型雇用(契約時に決められた職務だけを行う雇用形態)を基本とするアメリカ型の社会よりも、日本社会の方が、コンセプチュアルスキルの重要性は高いかもしれません。