昭和の時代とは異なり、現在は定年退職後のシニア世代が働くことは珍しくない光景となった。その中には、ちょっとしたパートタイムではなく、フルタイムで働きそれなりの収入を得ている人もいる。シニア世代でも稼げる仕事とはどんな業種なのだろうか。

シニア世代にとっての仕事とお金

シニア世代の労働については、「ずっと働けてありがたい」と感じる人もいる一方、「ずっと働かなければならないなんて大変だ」と感じる人もいるだろう。だが、いずれにせよ、定年までに十分安心できるだけの老後資金が貯まっていない場合は、仕事を続けて収入を得る必要がある。

また、仕事をして報酬を得ることは、「社会からまだ必要とされている」という自尊心を支えることにもつながり、生活に張りを与えてくれるものだ。

とはいえ、シニア世代だからといってあまりに安い給与で働いていると、気持ちがすり減ってくる。「少しでもお金になればいい」という控えめな姿勢は決して悪いものではないが、できれば自分がそれまでに培ったスキルを相応のお金に換えられる仕事が望ましい。

シニア世代のフルタイムワーカーの特徴

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査(一般労働者)」によると、フルタイムで働く大卒シニア世代(男女)の平均年収(データを元にした推定年収)は次のようになっている。

勤続年数 年収(賞与等含む)
60~64歳 20.0年 556万5,100円
65~69歳 16.3年 492万300円
70歳~ 18.0年 511万6,800円

60~64歳枠で勤続年数の平均が20年になっているのは、定年退職後もそれまで在籍していた会社に継続雇用されている人が多いことを意味している。

また、65~69歳枠よりも70歳枠のほうで平均年収が高くなっているが、労働者数は年齢が上がるほどに減っており、仕事を続けていれば収入が上がっていくという意味ではない。

つまり、あまり収入の高くない人は60代のうちに仕事を辞めてしまうため、結果的に70代になっても残っている人の平均年収が押し上げられる形となるのだろう。また、70代になってもフルタイムの仕事がある人は、それ相応の高いスキル等を持っているということもいえそうだ。

シニア世代の年収が特に高い分野3選

シニア世代のフルタイムワーカーの中でも特に年収が高いのが「教育・学習支援」分野、「学術研究、専門・技術サービス業」分野、「金融業、保険業」分野の3つとなる。それぞれ、大卒男女における年収を同調査から紹介しよう。

教育・学習支援

勤続年数 年収(賞与等含む)
60~64歳 20.7年 698万6,900円
65~69歳 18.7年 634万2,600円
70歳~ 20.9年 567万2,100円

「教育・学習支援」分野には、各種学校、学習塾・予備校、カルチャースクール、通信教育、図書館、博物館、植物園などの事業が含まれる。

学術研究、専門・技術サービス業

勤続年数 年収(賞与等含む)
60~64歳 20.2年 657万7,200円
65~69歳 13.7年 499万7,300円
70歳~ 18.7年 464万6,000円

「学術研究、専門・技術サービス業」分野には、各種研究所、法律事務所、会計事務所、経営コンサルディング、クリエイティブ関連業、広告代理店、設計事務所、写真スタジオ、獣医師などが含まれる。

金融業、保険業

勤続年数 年収(賞与等含む)
60~64歳 22.6年 570万1,300円
65~69歳 20.8年 485万6,600円
70歳~ 17.8年 605万5,000円

「金融業、保険業」分野には、銀行やそれに類した金融機関、貸金業、クレジットカード会社、証券会社、投資信託委託会社、保険会社、共済事業を行う会社などが含まれる。

短時間労働では年収がグッと下がる

さて、特にこれといったスキルを持たない場合、シニア世代がフルタイムの仕事に就くのは難しく、非正規雇用扱いの短時間労働しか選択肢がないという事態にもなりかねない。

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査(短時間労働者)」によると、大卒シニア世代(男女)の短時間労働者の平均年収(データを元にした推定年収)は次のようになっている。

勤続年数 年収(賞与等含む)
60~64歳 10.2年 257万1,602円
65~69歳 9.4年 216万3,084円
70歳~ 10.1年 221万5,549円

当然のことだが、フルタイムワーカーと比べるとグッと年収が減る印象だ。なお、労働時間はいずれの年代も1日約5時間半、月間14~15日ほどの稼働となっている。

シニア世代だからこそライフワークバランスを重視

収入だけを考えるとフルタイムワーカーになるほうがいいのは確かだが、年齢を考慮してゆったり働きたいという人もいるだろう。シニア世代だからこそ、ライフワークバランスを重視すべきだという考え方もある。

その場合、短時間労働を選ぶことになるが、その場合でもなるべく自分のスキルを活かせる仕事を選び、納得のいく収入が得られるようにしたい。自分が長年培ってきた能力を発揮できる仕事のほうがやりがいも感じられるはずだ。

文・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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